2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「幕末雄藩列伝」③土佐藩と肥前佐賀藩

明治維新政府を構成した主要な旧藩を薩長土肥(さっちょうどひ)と呼びならわすことが多い。 薩摩長州は言うまでもないほど取り上げられているが土佐(高知県)山内家、と肥前(佐賀県)鍋島家は前二藩ほど取り上げられる機会が多くなく敢えてここに書かして貰うこ…

2回目の旗振山登山

10月14日に神戸市須磨区にある旗振山に登ったことをこのブログに書いたがそのときは取り敢えず西も東も分からず手さぐりで登った気がして、出来るだけ早く2回目を頑張ろうと思っていた。 1回目の反省を生かし今回は2つの目標を立てた。 ①前回は頂上の…

長州藩士・広沢真臣(ひろさわさねおみ)

研究者ではないが唯歴史が好きなだけで山口県地方史学会に入れてもらっている。 そのため年2回その会誌「山口県地方史研究」が送られて来るので楽しみにしている。 最新第128号の研究分野に神奈川県在住・下田悠真氏の「明治維新と広沢真臣」という論文…

明石海峡大橋を渡ってきた

神戸垂水に引っ越してきて目の前に淡路島と明石海峡大橋がある風景が当たり前になり、おまけに神戸淡路鳴門自動車道がすぐそばを通っているところから早めに一度明石海峡大橋を渡って見なければと思っていた。 昨日は家内の要望もあり思い付いて昼食を目的に…

「幕末雄藩列伝」②彦根藩と津藩

10月26日の続き、 実は「幕末雄藩列伝」には彦根藩は載っているが津藩は載っていない。 徳川家康は幕府を開くに当たって今後の幕府軍の編成で、譜代大名は徳川四天王のひとり井伊直政の井伊家、外様大名は最も親しい交際をしていた藤堂高虎を見込み藤堂…

「幕末雄藩列伝」①水戸藩と長州藩に見る派閥抗争

伊東潤著「幕末雄藩列伝」角川新書刊 を読んでいる。著者は最近色々な歴史番組にも顔を見かける気鋭の歴史小説家で、私も水戸藩天狗党の争乱を扱った「義烈千秋 天狗党西へ」等を読んだことがある。 この本が取り上げているのは300諸侯と言われた諸藩の内…

久しぶり現役時代同僚との会合

多分一年以上会っていないと思われるがコロナが小康状態の今しかないなということで、奈良に住む現役時代の同僚と大阪天王寺で昨日久しぶりの会食をしてきた。 神戸垂水に引っ越して来て仕事関係では初めての面会で、懐かしい嬉しい時間であった。 ・互いの…

『「男はつらいよ」を旅する』

渥美清さん主演の「男はつらいよ」は多分劇場やTVを含むと50作全ての作品を観ている。 2020年1月23日のこのブログで「お帰り寅さん」と題した50周年記念映画を大阪天王寺に観に行ったことを書いている。 もとよりこのとき既に渥美清さんは亡くな…

小平奈緒選手の全日本500m8連覇と引退

昨日は平昌パラリンピックの金メダリスト・小平奈緒選手が、自分自身の現役引退試合と位置付けた全日本スピードスケート距離別選手権の女子500m競技が行われ、小平選手をずっと応援しているものとしてNHKBSの実況中継を固唾をのんで見た。 結果はあの高木…

AI(人工知能)による画像生成

小学校の時代から、音楽と図画はいつも自信を失う時間だったような気がする。 歌の下手は今のカラオケに繋がっているが、ただ詩のきれいな歌を歌うのは決して嫌いなわけではない。 図画でも子供心にもなかなか納得するような絵が描けた記憶がなく、今住んで…

鉄道150年 長州人・井上勝(いのうえまさる)

文久3年(1863)5月10日長州藩は攘夷の先がけとして下関海峡を航行する外国船を砲撃した。 その同時期、同じ長州藩は5人の有為な人材を英国へ藩費5000両を使って密航させ、制度や技術を学ばせることを決め彼らは5月12日横浜を出航、上海を経由し…

四境戦争・厚狭兵(強義隊)の小倉口への参戦

10月16日の続き 慶応2年(1866)周防大島・大島口の戦いで始まった長州藩にとっての祖国防衛戦争は、過去の厚狭毛利家の俗論派寄りの立場もあり当初厚狭兵は動員から外されていたようである。 明治21年に記されたふるさと厚狭の戦死者を祀る招魂場(…

映画「トラ・トラ・トラ」

1970年に制作された太平洋戦争の始まり真珠湾奇襲を描いたアメリカ映画「トラ・トラ・トラ」がNHKBSプレミアムシネマで放送され録画していたのだが、しばらく放置していたのをようやく観終わった。 ブルーレイの録画容量が満杯になりそうなので、これは…

「かいぼり」と治水のことなど

新聞の文化欄で半世紀以上聞いたことが無かった懐かしい言葉に出会った。 「かいぼり」である。漢字で書くと「掻い掘り」でため池などの水を抜いて泥を掻き出して池の点検や水量を確保することを言い、古くから行われてきた。 記事は『都会でも楽しく「かい…

神戸・垂水で「瓦そば」

「瓦そば」は山口県の郷土料理らしい。らしいというのは山口県生まれの私だが、18歳まで住んでいた時分にはまったく食べたことがなく、初めて食べたのが大阪梅田の山口県郷土料理の店だったからである。 何でも下関・川棚温泉で、明治時代西南戦争に於ける…

四境戦争(第二次長州征討)

元治元年(1864)の第一次長州征討では長州藩が幕府に恭順する姿勢を示すことで解兵したが、その後長州藩では急進反幕の正義派主体の藩政府に変わり、それを察知した幕府は慶応元年(1865)第二次長州征討の動員令を各藩に発した。 幕府の大軍は長州の四…

「明治国家と万国対峙・近代日本の形成」

勝田政治著「明治国家と万国対峙・近代日本の形成」角川選書 刊 を読み終えた。 著者の勝田政治さんは日本近代史を専門の歴史学者で明治国家や大久保利通に関する著書などが数多い。 「万国対峙(ばんこくたいじ)」とはあまり聞きなれない言葉だが、幕末に幕…

旗振山(はたふりやま)登山

こちらに引っ越して来て以来、ベランダから東方向に見える旗振山に登りたいと思いつつ日にちが経過していたが、昨日天気を見計らい頑張って登ってきた。 ベランダから見える旗振山 名前の由来は、江戸時代大阪堂島の米相場の値を旗信号で順次中継する山のひ…

娘の訪問など

久しぶりに娘が顔を見にやってきた。 日帰りなので昼食を共にしようと前々から目を付けていた垂水駅近くの山口県郷土料理「瓦そば」の店に行こうと計画していたが生憎の休みでがっかり。 急きょ回転寿司で代用することになった。実は回転寿司はこちらに引っ…

本願寺のことなどあれこれ

私は現在に至るまで周りの宗教行事には素直に従うものの基本的なところでは無宗教無信心である。 山口県の実家は浄土真宗西本願寺系の門徒であり母親は常にお勤めと奉仕を欠かさなかった。 妻の方は東本願寺系の寺で門徒のグループ・講にも入れて貰っていた…

「足軽(あしがる)」のことなど

日本史に関連して史料や本を読むと「足軽」という言葉が頻繁に出てくる。 私が追跡している厚狭毛利家にも、家臣の身分や俸禄を記録した安政2年(1855)の分限帳(ぶげんちょう)を見ると家老から始まる5段階の侍身分の次に「足軽」として41軒の苗字と名…

四境戦争に対応した長州藩軍制改革と厚狭③

9月29日の続き 迫り来る幕府、諸大名の大軍を前にした慶応2年(1866)長州藩の軍制改革後の編成は、 正規軍8535名、清末・徳山・長府各支藩隊2113名、奇兵隊など諸隊1500余名、農商兵1600名余 合わせておよそ1万4千人であった。 彼…

十三夜

昨夜は十三夜ということで施設の俳句サークル仲間が10人、庭の「あずまや」に集合し「十三夜を愛でる会」が催された。 この会の案内が来たとき私の頭に浮かんだのは、恥ずかしながら昭和の懐メロで藤島桓夫さんが唄っていた「月の法善寺横丁」、大阪人の馴…

朝ドラ「舞いあがれ!」東大阪と五島のことなど

NHKの朝ドラ「舞いあがれ」が始まった。空への夢を抱く少女の成長物語らしいが、飛行機を作る方へ向かうのか操縦する方なのかどうなのだろう? 舞台は実家のある大阪府東大阪市と祖母の家のある長崎県五島列島のようで早くも両方を見せてもらった。 東大阪は…

「実録アヘン戦争」

中国を統治していた清(しん)とイギリスが1840年に戦ったアヘン戦争は当時の日本にとって衝撃的な出来事で、眠れる獅子と言われた大国・清がいわゆる夷狄(いてき)に完敗して領土と賠償金を取られたという事実は、日本全体の危機意識を呼び覚まし結果的に…

10月句会と神戸和田岬

私が俳句サークルに入会して3度目の月例句会が一昨日に行われたが、残念なことに人間ドック受診と重なってしまい、どうしたらいいか確認したところ自選句を7句短冊に書いて出すことと、その7句の内、施設内に印刷掲示するための3句を示すように求められ…

戦国合戦の舞台裏・米や麦の取り合い

図書館で借りてきた盛本昌広著「戦国合戦の舞台裏」洋泉社歴史新書刊 を読み終えた。 この本は表紙の派手さとは異なり、合戦の華々しい戦いの場面から目を転じて、日頃あまり目を向けられることが少ない戦場での戦いに至るまでの準備や陣の構築、退陣などの…

故郷が生んだ外務大臣・青木周蔵と明治天皇のエピソード

2019年5月1日のこのブログで「青木周蔵を知っていますか」と題して私の郷里山口県厚狭郡山陽町(現山陽小野田市)が輩出した唯一の大臣・青木周蔵のことを書いたことがある。 明治時代に黒田清隆、山県有朋両内閣で外務大臣を歴任し、幕末に結ばれた欧米…

ヨモギの「虫こぶ」のことなど

リタイア後野菜作りには頑張ったつもりだが、その他の自然や植物には花も含めて無縁で来たので、最近頻繁に緑の多い公園を歩くようになって今まで知らなかったことを知る機会が増えてきた。 先日歩いている路のそば草むらを見たときヨモギの葉っぱの辺りに白…

長州人の戦友を想う言葉

先日行われた安倍元首相の国葬で友人代表・菅前首相の弔辞は色々なマスコミが取り上げていた。 その中で菅さん自身の思いを最もよく詠み込まれた歌として紹介されたのが、山県有朋が伊藤博文に先立たれた際に詠んだ次の歌であり複数の新聞が載せていた。 【…