歴史の彼方から

厚狭毛利家代官所日記㉔文久2年⑥梶浦の魚せり場

ふるさと厚狭を給領地にした厚狭毛利家の民政記録、文久2年(1862)を読む。梶浦(かじうら)は厚狭川の河口域にある厚狭毛利領内唯一の漁村であり厚狭地域の南端に当たる。漁区が比較的小さく天保12年(1841)萩藩が地域毎の民情をとりまとめた「防長…

「絵で見る十字軍物語」

60年代から70年代頃にかけて日本中にフォークソングが響き、フォークソンググループが沢山活躍していた。 その一つ「ザ・フォーク・クルセダーズ」があり大ヒットした「帰ってきたヨッパライ」「イムジン河」「悲しくてやりきれない」などの曲に記憶があ…

「鎌倉殿の十三人」・大江広元(おおえのひろもと)

今年始まったNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」は大河には比較的取り上げられることが少ない鎌倉幕府の草創期を扱った作品である。鎌倉幕府や室町幕府では評定衆(ひょうじょうしゅう)と呼ばれる将軍を補佐して実力者が合議する機関があったが、草創期でまだ…

「坂の上の雲」と連合艦隊解散の辞

先日、長崎県対馬の万関瀬戸のことをこのブログに書いたが、関連した日露戦争の日本海海戦を見直そうと思い司馬遼太郎さんの大作「坂の上の雲」を書棚から引っ張り出し、海戦に関わる第5巻、6巻を読み始めると止まらずつい最後まで読んでしまった。 この本…

対馬・万関瀬戸(まんぜきせと)と日本海海戦

長崎県対馬(つしま)在住でブログを運営されている方から、対馬の見どころのひとつとして島を上島と下島に分かつ万関地峡(まんぜきちきょう)とそれをまたぐ万関橋を写真付きで教えられた。実はこの万関という名前にはかすかな古い記憶があり、もう少し教えを…

「室町は今日もハードボイルド」

清水克行著「室町は今日もハードボイルドーー日本中世のアナーキーな世界」新潮社刊 を読み終えた。 表紙の絵も人目を引くような強烈なインパクトで、オマケにこの本のキャッチコピーは以下の通り好奇心をあおる内容で、とても学術的な本とは思えない。『「…

防府天満宮の御神木と「無用の用」

山口県在住の同級生から防府天満宮に出掛けた際の写真を送って貰ったがその中に御神木として楠の大木の写真があった。 防府天満宮は日本三大天神の一つで建立されたのは日本で最も古いといわれる。 ・送って貰った御神木写真 ふるさと厚狭の天神様で毎年恒例…

厚狭毛利家代官所日記㉓文久2年⑤農民の大チョンボ

ふるさと厚狭を給領地にした厚狭毛利家の民政記録・代官所日記に、公務にかり出された百姓の大失敗が記録されている。萩藩毛利家では領内を宰判(さいばん)と呼ばれる18の行政区に分けて勘場(かんば)と名付けられた役所を置き代官を始めとする役人が詰めて…

「伊藤博文 ・知の政治家」

伊藤博文公は私の郷里山口県出身の大政治家である。 これまで私が郷里の大先輩として伊藤博文に持っていたイメージや知識は概ね次のようなものであった。・元々百姓出身であったが父親の関係で武士の末席である仲間(ちゅうげん)身分からスタートする。 ・吉…

「信玄餅」からの余談です

知り合いから山梨県土産として「信玄餅」というお菓子を頂いた。 いわゆる信玄袋といわれる袋の形をした包装に、個装の餅が、きな粉いっぱいにまぶされ小容器の黒蜜と同梱されている。 コーヒーと一緒に頂いたが、きな粉と黒蜜が混ざりあった味は独特の懐か…

「開戦 太平洋戦争・日中知られざる攻防」

NHKのBS1スペシャル「完全版 開戦 太平洋戦争~日中知られざる攻防」を録画していたのをようやく観ることが出来た。1941年12月8日、ハワイ真珠湾の米国海軍基地を奇襲攻撃することで始まった太平洋戦争だが、日本はそれ以前、1937年7月7日北京…

厚狭毛利家代官所日記㉒文久2年④領内での宗門トラブル

江戸時代はキリスト教を禁ずるための宗教統制が有名だが仏教内でも寺毎の檀家リストが宗門人別改帳(にんべつあらためちょう)として戸籍代わりになり、領地内の政治統制にも使用されていた。通常この寺と檀家の関係は親子代々受け継がれるが、人が移動した場…

「カエサル」

小池和子著「カエサル」岩波新書 を読み終えた。 著者は西洋古典学を専門とされているとのことで、あとがきで「既に供給過剰の感があるカエサルという題材を取り上げる意味がどこにあるのか」と自問自答されている。 この供給過剰という表現にある通りカエサ…

長州藩士・前原一誠②司馬遼太郎作品の中で

1月2日のこのブログに明治維新の功労者の一人・前原一誠がふるさとと接点があった事とその経歴を書いた。 その人となりを知るため、司馬遼太郎さんの作品に脇役ながら登場する際の描写を挙げさせて貰うことにした。①吉田松陰や高杉晋作など幕末の長州人を題…

長州藩士・前原一誠(まえばらいっせい)

明治維新の三傑といえば異論なく、薩摩の西郷隆盛、大久保利通、長州の木戸孝允の名前が出てくる。 しかし明治維新の十傑となると、三傑以外に誰を入れ誰を外すかで今でも定まらない。 長州藩の前原一誠は人によってこの十傑に入れたり入れなかったり云わば…

「後期日中戦争」

広中一成(ひろなかいっせい)著「後期日中戦争」角川新書 を読み終えた。 著者は中国近現代史、日中戦争史などの専門家であり内容を見ると事実を忠実に書こうという志向が感じられ左右どちらにも偏らず中立的であることがうかがえる。 この本の副題が「太平洋…

厚狭毛利家の学館・朝陽館

よく知られているように長州藩では藩校として享保4年(1719)萩城下に「明倫館」を開校した。 ここでは主に藩士を対象に、儒学書・兵書の講義と諸武芸の鍛練が行われた。藩内では萩の本藩のみでなく、支藩である長府、徳山、清末、岩国(領)でも藩校が独自…

緒方洪庵とふるさと生まれ・青木周蔵との繋がり

一昨日のこのブログで触れた大阪大学適塾記念センター発行の機関誌「適塾・No54」を読み進めると、江戸時代後期に大阪北浜で蘭学の「適塾」を開いた緒方洪庵とふるさととの繋がりがあったことが書かれてあった適塾記念センターの尾崎真理氏が、現在「緒方…

じゃがたらお春

戦前に由利あけみさんという歌手が唄われた「長崎物語」という懐かしい、綺麗なメロディーの歌があり、YouTubeを開けると、美空ひばり、春日八郎、青江三奈、藤圭子など多彩な人がカバーされている。♪︎♪︎赤い花なら 曼珠沙華(まんじゅしゃげ) 阿蘭陀(オラン…

長州藩士・村田清風(むらたせいふう)

住んでいる地域のゴルフ練習場が閉鎖されたため比較的近い大阪市の練習場に通うようになり、そこに来られている方々と知り合ったが、そのきっかけになったお一人が村田さんで私のブログを見て長州藩の村田蔵六(大村益次郎)のことを語られた。そこで大村益次…

映画「イミテーション・ゲーム /エニグマと天才数学者の秘密」

NHKBSで放送されたプレミアムシネマ「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」を録画して観ることが出来た。原題はImitation Game(イミテーションゲーム)でこの映画の実在の主人公・アラン・チューニングが考えたとされる、 コンピューターと人…

ベルベル人

私が初めてベルベル人という言葉を聞いたのはアメリカ映画「風とライオン」を大阪市内確か道頓堀にあった劇場で観た時で、私は封切り映画として観た記憶があるので1976年のことである。余談ながらこの映画は私が観てきた映画のなかで10指には入ると思…

ふるさと厚狭に遺された前方後円墳

近所の図書館へ行くとたまたま県史シリーズで「山口県の歴史 」山川出版社刊 が目に止まり借り出した。 この中の古墳時代の記事を参考にしながら、「宇部・小野田・美祢・厚狭の歴史」郷土出版社刊、「山陽町史」山陽町教育委員会発行、などを併せて厚狭の前…

「鯨海酔侯(げいかいすいこう)」と「そうせい侯」

12月13日のこのブログで幕末の土佐藩主・山内容堂のことを研究した「山内容堂の軌跡」を読んだことに触れたが、この事に関して少し書き残したことを補っておきたい。私の生まれた長州(山口県)を統治した毛利藩では幕末有事に藩主の座にあったのは第13…

「酔鯨(すいげい) 山内容堂(やまうちようどう)の軌跡 」

家近 良樹(いえちかよしき)著「酔鯨 山内容堂の軌跡」講談社現代新書 刊をようやく読み終えた。 500ページを超える大著で、休憩や用事を挟んだこともあり読み終えるまで5日間かかってしまった。 もう12月も半ばに近づいているのでほぼ間違いないと思う…

日常・日乗2題

◎最近真面目に通っているゴルフ打ち放し練習場で知り合った方3人と私とで場内の喫茶店でコーヒーブレーク中、その内のお一人が奄美大島出身で、ルーツは沖縄にあると話された。あまり沖縄出身の方と話す機会が無いこともあり、ついつい日頃感じていた本土と…

映画「誰(た)が為に鐘が鳴る」

NHKBSプレミアムシネマで放送された映画「誰が為に鐘は鳴る」を録画して観終えた。 「老人と海」などの作品があるノーベル文学賞作家 アーネスト・ヘミングウェイの原作で、アカデミー作品賞をはじめ主演男優賞にゲーリー・クーパー、主演女優賞がイングリッ…

ふるさと厚狭にあった軍事施設

ふるさと厚狭の歴史について色々書いてきたものの、戦中のことには未だ触れた事がなく、12月8日の開戦日が巡って来たこともあり少し書かせて貰う事にした。私は戦後の生まれなのでもちろん戦中の記憶など全く無いし戦後の子供時代も軍の関係を見聞きした…

12月8日・太平洋戦争の開戦

毎年12月8日近くになると太平洋戦争の開戦に関する報道が新聞、TV.、雑誌を問わず一気に増えてくる。 基本的に歴史が好きな私だが歴史の事象に関する年代や月日は、調べれば分かることなので記憶しないことに決めているが、太平洋戦争の開戦日だけは記憶…

兵庫(ひょうご)と神戸(こうべ)

用事が出来て兵庫県神戸市の垂水(たるみ)まで出掛けてきた。本来なら車で行くのだが約束の時間が通勤等と重なり渋滞に巻き込まれる事から電車で行くことにした。最近開通したJRおおさか東線、地下鉄東西線経由で尼崎まで出て、そのままJR神戸線で垂水駅へと…