歴史の彼方から

映画「ベン・ハー」

NHKBSのプレミアムシネマで映画「ベン・ハー」を録画してまたまた観てしまった。劇場で数回、TVで数回併せて5~6回目かもしれないが、観るたびに新しさがあり観入ってしまう。何しろ間に、intermission(休憩)まであらかじめ準備されている218分に及ぶ大…

「秀吉の手紙を読む」と文書の改ざん問題

染谷光廣著「秀吉の手紙を読む」吉川弘文館刊を読み終えた。 著者は東大史料編纂所教授を長く勤め、日本の歴史史料の集大成ともいえる「大日本史料」編纂(へんさん)の織田信長時代主任担当であり、2003年死去された。豊臣秀吉の自筆文書は約120点、右…

ふるさと厚狭の寝太郎物語③最終回、寝太郎とは何者?

6月9日のこの日記の続き厚狭川に堰を設け水路を掘削して荒れ地を美田に変え、寝太郎として伝説になった者は一体どのような人物なのだろうか。 残念ながら今までにこの答えを明確に示す史料や研究は見当たらない。荒神社に寝太郎の名が冠せられていることを…

ふるさと厚狭の寝太郎物語②

5月7日のこの日記の続き厚狭川の寝太郎堰(大井手)から分流した水は用水路を通じて、厚狭川西側の、上流鴨庄地区から各地域を経由、下流の広瀬地区まで広く行き渡るようになっている。現在寝太郎用水路と呼ばれる水路は、鴨庄に生まれた私が子供の頃は幅2m…

朝鮮の英雄「李舜臣(りしゅんしん・イスンシン)」

このブログに厚狭毛利家の家祖・毛利元康のことを書いてきたが、どうしても豊臣秀吉が始めた文禄・慶長の役いわゆる朝鮮出兵での活躍に触れることになり、そうなると身びいきで毛利元康の奮戦や日本軍の活躍を書いてしまう。然しどう考えてもこの戦いの日本…

ふるさと厚狭の寝太郎物語①

私のふるさと山口県厚狭郡山陽町(現山陽小野田市)厚狭には3年寝太郎伝説が残されている。 厚狭の出身者には心のよりどころのひとつになっており、大阪在住の同級生から、一度寝太郎のことをこのブログに書いて欲しいと頼まれ書き始めている。・丁度50年前…

ゴルフと土師(はぜ)氏

昨日はホームコースでコロナ対応の祝日競技・憲法記念日杯が開催され出場してきた。 いつもご一緒しているメンバーの方と2人でエントリーして、初めての方2人との組み合わせ4人でのプレー。前日の悪天候が嘘のようないい天気に恵まれたにもかかわらずスコ…

真備のお土産「琴弾岩(ことびきいわ)」など

コロナ騒動で緊急事態宣言が出されて、下宿中の孫の大学がリモート授業に切り替わったために、互いの予防も含めて実家の倉敷市真備町へ連れ帰るため、娘が久し振りに我が家へやってきた。そのお土産に、2019年7月の真備町の水害から再建された和菓子屋…

厚狭毛利家⑳初代元康の足跡③

毛利元就八男で厚狭毛利家の祖・毛利元康について色々なことをこの日記に書いてきた。元康は豊臣秀吉が始めた朝鮮出兵(歴史学では朝鮮侵略戦争と呼ぶことがある)・文禄、慶長の役では一手の将として渡海した。 2021、1、31のこの日記「厚狭毛利家⑱初…

タイ・チュラロンコン王

本村凌二著「世界史の叡知・勇気、寛容、先見性の51人に学ぶ」中公新書版 を読んでいる。 古代史家の著者が、古代ローマ人が子弟の教育のために父祖の歴史を教えた史実に習い、世界史の中から51人を選んでその生涯と事績を紹介したものである。まだ読ん…

滋賀県・瀬田でのゴルフと瀬田の毛利

昨日は近所のゴルフ好きメンバー4人で滋賀県大津市瀬田のゴルフ場へ、コロナ対応ゴルフに出掛けてきた。 晴れ時々曇りの絶好のコンディションで久しぶりに目標の90切りができて、44、45、トータル89。最終18番ホールの2mくらいのパーパットを沈…

謎の古代豪族・葛城(かつらぎ)氏

私は大阪の旧河内国地域に住んでいるが散歩の途中などいつも東南方向にある北から二上山(にじょうざん)、葛城山、(かつらぎさん)金剛山(こんごうさん)の山々を見て、雲のかかり具合などから季節の移ろいを感じている。またこれらの山の標高は最も高い金剛山…

おだいっさま・お大師さま

私の子供の頃の想い出には色々なものがあるが、ふるさとの習俗とも絡んで遥かな歴史をも感じさせられるのが、この時季の懐かしい「おだいっさま」参りである。「おだいっさま」とはお大師様がなまったもので云うまでもなく空海、弘法大師をいい、誕生地・四…

出光興産創業者・出光佐三②

4月19日のこの日記の続き出光佐三には広く知られるエピソードが幾つもあるがそのうち私の記憶に残るものを書き残しておきたい。①海賊と呼ばれた男 これは小説や映画の題名にもなった。 出光佐三は明治44年(1911)北九州門司で石油販売業「出光商会…

ふるさと厚狭の映画館③厚狭三晃

「厚狭三晃」は厚狭駅から実家があった鴨庄(かものしょう・古くからの人は「かもんしょう」と呼んでいた)へと続く道と、旧国道2号線の交差点にあり、厚狭駅から100m程度の好立地で、厚狭で最後まで頑張られた映画館である。 「ふるさと談義」によると館…

山頭火とふるさと厚狭

種田山頭火(1882~1940)は防府市(旧佐波郡)の出身で、云わば同郷・山口県の大先輩に当たるが、酒に溺れ、雲水姿で放浪、自由律(5・7・5にとらわれない)の漂泊俳人として近年不思議によく名前を聞くようになってきた。近親者の自殺や破産などのせ…

ふるさと厚狭の映画館②厚狭松竹

子供の頃の映画館で深い記憶の底にあるのはやはり厚狭の松竹座だろう。厚狭川鴨橋(かもばし)方向から千町(ちまち)のJR(当時は国鉄)美祢線(みねせん)踏み切りを越えて直ぐを右折すると美祢線沿いにパチンコ屋や飲食店がある小さな歓楽街といった子供の入り難…

ふるさと厚狭の映画館①加茂川座

私の子供時代は娯楽の主役が映画からテレビへと変わり行く曲がり角に当たっていた。 昭和34年(1959)4月10日、上皇陛下が皇太子として美智子様との御成婚の日で、この頃から爆発的な白黒テレビブームが始まり、映画の斜陽化が叫ばれるようになる。厚…

評伝「毛利元就」と周南・鹿野の江良(えら)氏

4月8日のこの日記に書いたように岸田裕之著「毛利元就」ミネルヴァ日本評伝選、を読み進めている。 周防国(すおう・山口県)陶隆房(すえたかふさ・後の晴賢)は天文20年(1551)9月1日、主君大内義隆を長門国(山口県)・大寧寺(たいねいじ)に討ち果たし…

ふるさと厚狭の惣社(そうしゃ)八幡宮

ミネルヴァ書房が発行しているミネルヴァ日本評伝選シリーズは吉川弘文館の発行する人物叢書(そうしょ)シリーズと並び、史料に裏付けられた伝記集として双璧と思われる。その日本評伝選シリーズの一冊、「毛利元就/武威天下無双、下民憐憫の文徳は未だ」岸田…

「司馬遷(しばせん)」と「李陵(りりょう)」②

4月4日の続き1942年に33歳の若さで亡くなった作家・中島敦の全集は全3巻で昭和51年(1976)筑摩書房から発行されている。 司馬遷と李陵2人の絶望状態からの生き方を書いて、遺作となった「李陵」は、第1巻に収録、旧かな使い、旧漢字で戦後生…

「司馬遷(しばせん)」と「李陵(りりょう)」

NHKBSで「古代中国・よみがえる英雄伝説」という番組が連続して再放送されている。今回の「司馬遷と武帝(ぶてい)~"史記"誕生秘話」は以前の放送を見のがしており、録画して観ることにした。よく知られているように漢王朝・武帝の時代、暦や歴史を記録する「…

「武田氏滅亡」②新しい知見との出会い

3月29日の続き平山優著「武田氏滅亡」を読んでいくなかで、今まで想定してなかった知見や初めての出会いなどの幾つかに遭遇した。 せっかくなので私自身のためにも、これらを書き残して置きたい。①毛利家(安芸国・広島県)と武田勝頼(甲斐国・山梨県)との…

「武田氏滅亡」①

ここ10日間くらいこの751ページの大著、〈平山優(ひらやまゆう)著「武田氏滅亡」角川選書〉 と格闘してきた気がしている。 とても一気に読める内容と量ではなく、頭と身体に休憩を入れながら行きつ戻りつし、悪戦苦闘の末にようやく読了した。 著者は最…

カルタゴの英雄ハンニバル③/鯉の産卵

3月25日の続き(最終回)北アフリカのカルタゴ本国に戻ったハンニバルとローマ軍スキピオは休戦交渉をはじめるも決裂、その時の各々の言葉が記録に残されている。ハンニバル44歳「最も幸福な選択はローマがイタリア以外に手を伸ばさず、カルタゴがアフリ…

地域のゴルフ会と油日(あぶらひ)神社

昨日は久しぶりの地域ゴルフコンペで滋賀県甲賀市油日のゴルフ場へ。 このゴルフ会は150回以上続いている長寿の会で、年4回としてももうじき40年経過することになる。しかしメンバーもだんだん少なくなり現在7名、ご多分にもれず高齢化と併せ厳しい状…

カルタゴの英雄ハンニバル②

3月20日の続き象と一緒にアルプスを越えてイタリアに着いたハンニバルの勢力は、出発時の4分の1 26000人まで減っていたが、苦難に耐えた精鋭のみが残ったとも言え、これを中核に、ガリア人など反ローマ勢力を糾合してローマ軍に戦いを挑む。ハンニ…

当麻寺(たいまでら)と瓦(かわら)そば

昨日はあまりの良い天気に誘われ、奈良県葛城市にある当麻寺と、その近くでふるさと山口県にゆかりの「瓦そば」が食べられる店に行ってきた。当麻寺は藤原氏出自の中将姫が出家し、一夜で綴織曼陀羅(つづれおりまんだら)を織りあげたという中将姫伝説や、…

下駄とコーヒー

日経新聞の最終面・文化欄の4分の1を使い、詩人・平田俊子さんのエッセイが掲載されており興味をもって読み終えた。「下駄とコーヒー」と題して寺田寅彦が、正岡子規を初めて訪ねた時のエピソードと自分の身の周りの事などをからめて綴ったエッセイである…

福島正則「弓は袋へ」

加藤廣(ひろし)著「戦国武将の辞世・遺言に秘められた真実」朝日新書 を読み終えた。 「最期の言葉にこそ、本音が宿る」として武将たちが遺した辞世の句や遺言状など一生を締めくくる言葉を集めたエッセイ集である。著者は金融界や企業コンサルタントで働く…