2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「まあまあふうふう」

少し古いが2019年7月9日のこのブログで、行きつけのコメダ珈琲店で読んだ週刊誌に、女優の八千草薫さんが書かれたというフォトエッセイ「まあまあふうふう」の紹介記事が載っていることをきっかけに、この言葉から上海駐在時代の想い出などを書かせて…

四境戦争に対応した長州藩軍政改革と厚狭②

9月23日の続き 桂小五郎(木戸孝允)と村田蔵六(大村益次郎)を中心とする藩政府から慶応元年(1865)6月最初の長州藩軍制改革の令が発せられた。 これは迫り来る幕府の大軍に対抗すべく旧来の軍隊である藩正規軍を解体し西洋式軍隊の体制に近付けるため…

映画「柘榴坂(ざくろざか)の仇討」

井伊家・彦根藩と言えば初代藩主・井伊直政以来徳川幕府の譜代名門で、戦の折は先鋒大将が決まり、政治の場では非常時の大権を行使する大老職を出した。 家康が近江国(おうみのくに・滋賀県)彦根、すなわち石田三成の居城・佐和山近くに井伊家を配したのは、…

「杏の気分ほろほろ」

モデルで女優の杏さんが書いた「杏の気分ほろほろ」朝日新聞出版刊 を図書館で借り出し読み終わった。 多分今年の1月1日にこのブログに載せた「杏のふむふむ」の姉妹版といえるものだろう。 まず題の「ほろほろ」という意味が今少しわからないが、本の最後…

南蛮煙管(なんばんきせる)と矢羽(やばね)すすき

昔から樹の枝などに寄生する寄生木(やどりぎ)という植物があることは知っていたが、自分では葉緑素を持たず植物の根に寄生して花を咲かせるものがあるとは全く知らなかった。 施設の職員さんに教えられた南蛮煙管もその一種らしくススキや茗荷(みょうが)の根…

「100万本のバラ」

歌手・加藤登紀子さんが歌う「百万本のバラ」は好きな歌のひとつである。 あの繰り返すフレーズ「あなたにあなたにあなたにあげる」のところがお気に入りで何回か唄う努力もしてみたが、全体に難しい気がする歌で生来の音痴にはなかなか歯が立たない。 元々…

「1台の荷車には1個だけ荷物を」

最近施設の俳句サークルに入れてもらい、素人の悲しさを味わいつつ少しでも多く詠んでみようと四苦八苦している。 入門書を読むと初心者が先ず守らなければいけないことは ・五・七・五 ・季語を入れる の二つであり、あとは作りながら習得すればいいように…

四境戦争に対応した長州藩の軍制改革と厚狭①

9月20日のこのブログで、第二次長州征伐(四境戦争)に向け元治2年=慶応元年(1865)長州藩内で「防長御一和・武備恭順」の藩論統一が成ったことを書いた。 同年4月19日幕府は第二次長州征伐の軍令を発し諸藩へ軍事動員を行った。しかし実際に幕府軍…

「日本への警告」

一昨日の日経新聞一面に、長い目でみた国力の指標であるドル建てGDPで、2012年にドイツに比べ8割大きかったものが昨今の円安もあり足元で並びつつあるというショッキングな記事が出ていた。 そんな中読み終えたジム・ロジャーズ著「日本への警告」講談…

映画「椿の庭」と富司純子さん

住んでいる施設のミニ映画会で2020年の日本映画「椿の庭」を鑑賞した。 とにかく今まで私の観てきた日本映画の類型にあてはまらない不思議な映画である。 脚本監督は私が初めて出逢う上田義彦さん、広告も手掛ける写真家とのことで、植物や小動物などの…

長州藩の危機・内戦処理に於ける支藩の動き

長州・萩藩公称37万石には長府藩5万石、徳山藩4万石、清末藩1万石、の支藩と別家として岩国を領する吉川家6万石、の4家があった。 (支藩は本藩が幕府に願い出て承認されて成立するが、岩国吉川家は関ヶ原敗戦の遺恨から萩藩が幕府への願いをしないま…

「殺し屋・善児」

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は史実と創作の境界があいまいなところがあり好き嫌いが分かれそうなドラマである。 その創作の部分で、登場した時点から特異な存在感を放っていたのが「殺し屋の善児」で、頼朝の子・千鶴丸や北条義時の兄・宗時を皮切りに…

昨日は孫との会合

一番上の院生の孫に渡す物があり、昨日はそれに合わせて二番目の大学生の孫と一緒に大阪から二人が垂水にやって来て、駅前のスターバックスコーヒーで昼食を共にした。 二人とも就職が決まりやれやれだが、まだ卒論が待っているらしくアルバイトも含め忙しく…

芙蓉(ふよう)と木槿(むくげ)

5月から移り住んでいる施設の庭は結構広々として芝生や樹木、花などみどりに恵まれている。 その外縁部に3~5mの低木が3本あり、似たような赤と白の花を咲かせているのがベランダから見える。 これらの写真を撮っておこうと思い庭に出ると、たまたま庭に…

「播州の国」

旧播磨国である神戸市の西の端に住むようになり、この地域の歴史などにも興味を持ち初めている。 作家・司馬遼太郎さんの数代前の先祖は播磨国の出身であることは黒田官兵衛が主人公の作品「播磨灘物語」のなかにも書かれていたが、その司馬さんに 「播州の…

長登(ながのぼり)銅山跡と奈良の大仏

最近このブログでは、長い間追跡している厚狭毛利家が長州藩の内戦いわゆる大田・絵堂の戦いで負け組になった処まで書いてきた。 ちょうどこのとき、山口県在住の同級生から美祢市美東町にある大田・絵堂戦跡に行ってきたとの便りがあり同じ美東町にある長登…

垂水漁港と食堂

神戸市垂水区に引っ越して朝ベランダから海を見ると、真南に当たる淡路島の東側海域にいつも漁船の姿が遠く白い点々のごとく見えている。 有名な明石漁港からは東に寄り過ぎているのでこれはきっと最短距離にある垂水漁港からの船だろうと思っていた。 そん…

風土(ふうど)というもの

風土という言葉は「風土記(ふどき)」「風土病」などに使われているが、辞書などをみてみると ・その土地の気候、地味、地勢などをあらわす。 ・文化の形成に影響を与えるような環境。 といった事が書かれてあり、いわば土地と人間の両方の意味を含めた言葉で…

厚狭毛利家代官所日記㊷元治元年(1864)嗣子の誕生

今まで書いてきたようにこの頃長州藩の内戦で厚狭毛利家当主が俗論派の旗頭になったが、内戦は敵対した正義派諸隊の勝利で終わり、厚狭毛利家は逼塞(ひっそく)に追い込まれた。 この厳しい状況下、厚狭毛利家に世継ぎが誕生する。 元治元年12月27日の記…

長州藩士・長井雅楽(ながいうた)/中秋の名月

幕末維新の激動のなかで滅亡の縁にも立たされた長州藩には非業の死を遂げた有為な士が多く出た。あまり世間には知られていないが、藩士の中核である大組(おおくみ)士の出自であった長井雅楽もその一人で、その才を多くから嘱望されながら政治的な立ち位置か…

稲刈りについてのあれこれ

山口県に住む同級生から「グループLINE」で稲刈り作業が始まっていることとの連絡があり、米の味、田んぼで遊んだこと、等々色々な懐かしい話が同級生間で飛び交った。 もう稲刈りの季節かとその早い時期には驚くが早生(わせ)種ではないらしい。早く実って早…

正岡子規の写生文

最近になって施設の俳句サークルに入会し、朝歩いている時に感じたこと等が五、七、五に成らないか苦心している。 それだけに正岡子規には再び関心があり、【柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺】などは何度でもいいなあ!と思えてしまう。【春や昔十五万石の城下哉…

「友だちのうちはどこ?」

1987年のイラン映画「友だちのうちはどこ?」がNHKBSのプレミアムシネマで放送され録画して観終えた。イランの映画というのは多分人生初めて観ると思うのだが、単調で盛り上がりというのも特に無い中、終わってみると妙に心打たれる感じがある。バックに…

9月句会の嬉しい結果

昨日は私にとって入会後2度目になる俳句サークル・9月の例会、11名の参加であった。いつものとおりの手順で全員が7句ずつ無記名で短冊に書いて提出、それを分担して清書した後全員に回附、全てのなかから各人が自分の気に入った句を7句選んで読み上げ…

「戦国と宗教」

神田千里(かんだちさと)著「戦国と宗教」岩波新書版 を読み終えた。 著者は私と同年齢の歴史学者で中世史が専門で特に宗教社会史を手掛けて来られたとのことである。この本では ・戦国大名の呪術を含む信仰 ・一向一揆・本願寺教団の実像 ・キリスト教との出…

厚狭毛利家代官所日記㊶元治2年(1865)長州藩内戦終結と厚狭

高杉晋作の挙兵で始まった長州藩の俗論派政府と諸隊中心の正義派との衝突は激戦地の名前をとって一般に「大田・絵堂(おおたえどう)」の戦いと言われる。 (大田・絵堂は私のふるさと厚狭の北東、現在の美祢市の一部で、当時の政治の中心・山口と萩の中間点に…

「倍賞千恵子の現場」

女優で歌手の倍賞千恵子さんが2017年に書かれた「倍賞千恵子の現場」PHP新書 刊を読み終えた。 図書館で本を探していて偶然見つけて借りたものだがこの本に出会えて運が良かったと思っている。 このブログでも何回か触れたような気がするが、ほぼ同年代…

長州の攘夷とは

ふるさと山口県厚狭を給領地とした厚狭毛利家の代官所日記を読み込んだり、長州・萩藩の明治維新前後の歴史を調べていくと、当時の長州人や長州藩のたどった行動で最も不可解と感じられることが「攘夷」という言葉にあるように思われる。中国の中華思想は外…

毎朝のウオーキングと四国八十八ヶ所

神戸に引っ越し後、特に予定が入っていない日は朝、隣接する健康公園の外周2kmを歩き、午後はゴルフ場沿いの坂の道を約2km歩くのを日課にしている。健康公園の管理事務所には四国八十八ヶ所の巡礼路の距離相当に応じたスタンプカードがあり歩いた距離に応…

「兵庫人国記」・山片蟠桃(やまがたばんとう)

黒部亨著「兵庫人国記」神戸新聞総合出版センター 刊を図書館から借り出し読んでいる。 著者は神戸市在住の作家で、近世以降の旧五ヶ国(但馬、丹波、摂津、播磨、淡路)の先賢の人物像をうかびあがらせ、「人物をとおして郷土の歴史を探る」ことがその目的だ…