「友だちのうちはどこ?」

1987年のイラン映画「友だちのうちはどこ?」がNHKBSのプレミアムシネマで放送され録画して観終えた。

イランの映画というのは多分人生初めて観ると思うのだが、単調で盛り上がりというのも特に無い中、終わってみると妙に心打たれる感じがある。

バックに響くペルシャ調の音楽が何とも言えず味がある。

イランの田舎の村の小学校に通う(多分3~4年生くらい?)主人公の少年・アハマッド。

教室でアハマッドのとなりに座る友人・ネマツアデは山を越えたポシュテという遠くの村から通っているが、宿題をノートに書かず紙に書いて先生に叱られる。
叱られるのは3度目で次にノートに書かなかったら退学を言い渡される。

下校して家に帰った後でアハマッドはネマツアデのノートを間違って自分のノートと一緒に持ち帰った事を知る。

このままでは友だちが退学になるので家族に言って遠くの村まで返しに行こうとするが家族に聞き入れてもらえず、母の眼を盗んで山を越えて友だちの家に向かうが見つからない。

とにかく観ていてかわいそうになるほど走り回り探し回るが、勘違い、行き違い、迷路のような村の作りのなかで宵闇が迫って来る等々の困難に出会し、渡せないまま夜になり家に戻る。

意を決したアハマッドは家で2人分の宿題を各々のノートに書いて学校に持参、先生の検閲に辛うじて間に合いネマツアデは救われる。

ついついストーリーまで書いてしまい、ネタバレになってしまったが、貧しい田舎の風景や人々の暮らしを写したぎこちない映像のなかから、少年の純真な必死さを通じてイラン映画の良さが垣間見得る。

最初で最後になるかも知れないイラン映画だが多分ずっと私の記憶に留まり続けるような気がしている。

🔘私はまだ入会していないが、施設の園芸サークルの畑では茄子が実を付けている、秋茄子だろうか。高台にあるので風の圧をもろに受けて激しく揺れ動く。

【強風に 小茄子が揺れて 試練なり】