2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「ふりさけ見れば」と長門国油谷湾(ゆやわん)・久津(くづ)

安部龍太郎さんが日経新聞に連載中の「ふりさけ見れば」もいよいよ終局に近付き阿倍仲麻呂は日本の土を踏むことなく「安禄山の乱」の終焉を見届け唐で死去した。 仲麻呂が日本のスパイとして唐に残った目的は日本の歴史が書かれているとされる歴史書「魏略(…

映画「杉原千畝 スギハラチウネ」

住んでいる施設の映画会で2015年に製作された日本映画「杉原千畝 スギハラチウネ」を観ることになった。 云わずと知れた第二次大戦の渦中でリトアニア(バルト三国の一つ)領事の職に在る時、ナチスドイツの迫害を逃れるユダヤ人に、後に「命のビザ」と呼…

「坂の上の雲」⑥山県有朋と秋山好古のエピソード

2月20日のブログ「坂の上の雲」⑤の続き 実はブログのなかで司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」を取りあげ始めて、この際もう一度この長編を読み直して見るかという気持ちになり第1巻からゆっくり読み始めている。 この小説の主人公3人のうちのひとりで日本…

同年代コミュニケーションミーティング

昨日は同じ施設に住む同年生れの3人で初めてのランチミーティングで垂水区舞子の和食・串カツ屋さんに行ってきた。 カウンター席でビールで乾杯の後、ランチの串カツコースを味わった。肉と魚のコースがあり私は魚を選択したが、質・量とも適正でゆっくりさ…

「徳川家康と武田信玄」

平山優著「徳川家康と武田信玄」角川選書を読み終えた。 引っ越し後本は図書館で借りることを基本にしているが、著者は私が注目している歴史家の一人で新聞の書評欄でこの新刊が出たことを見て、これは買うしかないなと思って書店に注文して手に入れた。 著…

須磨離宮公園の梅

今月の俳句サークルの兼題は「梅」、どこか梅の花が咲いているところはないか探していたところ神戸市の広報誌に須磨離宮公園の梅が載っており距離的にも近いことが分かり、昨日車で出かけてきた。 須磨離宮という名前には記憶があり大正時代に天皇家の別荘・…

厚狭毛利家代官所日記No54慶応3年(1867)②「山口移鎮」と屋敷地の拝領

厚狭毛利家代官所日記の慶応3年2月30日から3月1日にかけて、山口での藩政府体制の確立が進み、有力家臣屋敷の萩からの移転が進められる一環として、厚狭毛利家に対して以下のような屋敷地の引き渡しがなされた記録が出てくる。 ・拝領地は畠2反分(2…

金融政策はどうなるのか?

昨今あらゆるメディアで日銀の新しい正副総裁人事とこれからの金融政策がどう変わるのかを考えさせる記事や番組がこれでもかというくらいあふれ出ている。 これらの中には当然のことながら現在の黒田日銀が10年にわたって進めてきた異次元緩和の評価がどう…

「坂の上の雲」⑤バルチック艦隊の進路は?

2月17日のブログ「坂の上の雲」④の続き 日露戦争の命運を決した日本海海戦の前段として、ロシア・バルチック艦隊はバルト海を出て、アフリカ喜望峰を廻りインド洋、マラッカ海峡を通過、東シナ海に入りロシア沿海州のウラジオストック入港を目指していた…

「始めに言葉ありき」

最近TV、新聞、インターネット、雑誌など色々なメディアが「chatGPT」という対話AI(人工知能)のことを話題にしている。 残念ながら私はネット上で検索して確かに公開されていることを確認しただけでまだ実際に使ったことはないが、見聞きしたところによると…

厚狭毛利家代官所日記No53慶応3年(1867)①

慶応2年から3年にかけては長州藩も日本も激しく動いた年であった。長州藩では幕府の大軍を四つの国境(くにざかい)で迎え討った四境戦争を何とか乗り切り休戦に持ち込んだ。 その背景には慶応2年の以下の出来事があり、慶応3年の明治天皇の践祚(せんそ)に…

「坂の上の雲」④コサック騎兵

2月14日のブログ「坂の上の雲」③の続き 「坂の上の雲」の主人公のひとり秋山好古は日本騎兵の創始者といわれフランスに留学して騎兵を学び、当時世界最強といわれたロシア陸軍のコサック騎兵対策に心血を注ぎ、いざ開戦となるや満州の野で日本騎兵を率い…

「子規断章・漱石と虚子」

日下徳一著「子規断章・漱石と虚子」朝日新聞出版刊を読み終えた。 34歳の短い生涯で多彩な文芸活動を行い特に近代俳句や短歌の祖といわれる正岡子規についてその足跡を追い、特に交友のあった夏目漱石、高浜虚子、河東碧梧桐(かわひがしへきごとう)等との…

嬉しい出来事二件

昨日は嬉しい出来事が二つ重なった。 一つ目は2月11日の雨上がりの朝にスマホで撮影した旗振り山方向の朝靄(もや)の写真を入居者の方の協力でプリントしてもらい、施設の一角に掲示することが出来た。 たまたまいつもの体操をしようとベランダに出た際に…

「坂の上の雲」③旅順攻略戦

2月11日のブログ・「坂の上の雲」②の続き 日露戦争の開戦時ロシアは日本の連合艦隊に匹敵する艦隊を2セット持っていた。旅順を主力基地とする太平洋艦隊とバルト海を管轄とするバルチック艦隊である。 日本は朝鮮や満州に兵を送り、また友好国との貿易も…

映画「胸に輝く星」

NHKBSプレミアムシネマで放送された1957年の西部劇「胸に輝く星」を録画していたのを見終わった。 正直云って余り深く考えもせずたまたま番組表を見て録画しておいたのだが、観始めるとモノクロの古い画面に引き込まれて大当たりの映画であることを確信…

フィリピン・マニラ市街戦のことなど、「あゝモンテンルパの夜は更けて」

1月6日のこのブログで「平成の天皇皇后 両陛下大いに語る」と題して、月刊誌・文藝春秋一月号に昭和史家・保坂正康さんが、作家半藤一利さんなどと共に天皇皇后両陛下(現在上皇上皇后両陛下)と会い歴史などについて話し合われた記事が掲載されていることを…

坂の上の雲②伊予松山藩

「坂の上の雲」の主人公とも云える明治の三人、秋山好古、真之兄弟と正岡子規は何れも伊予国(愛媛県)松山藩の出身である。 正岡子規がふるさとを詠んだ私も大好きな一句。 【春や昔十五万石の城下かな】 伊予松山藩は久松松平家といわれ、徳川家康の生母・於…

「別所一族の興亡」・播州三木城の戦い

橘川真一著西川卓男校訂「別所一族の興亡・播州太平記と三木合戦」神戸新聞総合出版センター刊を読み終えた。 旧播磨国(はりまのくに)の東端に移り住んでまだ一年に満たないが少しずつ地理を含めて身近になりつつあるような気がしている。 播磨国・播州(ばん…

「坂の上の雲」①天気晴朗ナレド波高シ

今年は作家・司馬遼太郎さんの生誕100年に当たることから、私も訪れたことのある東大阪市の司馬さんの自宅を改装した「司馬遼太郎記念館」では、インターネットで好きな作品を募ったところ一位が「坂の上の雲」であったらしい。 私もこの結果を聞いて納得…

2月の句会

昨日は住んでいる施設の俳句サークル2月の例会で今月の兼題は「粕汁」11人が出席。 私は出来るだけ毎日作るようにしている過去約1ヶ月のなかから以下の5句を選んで出した。 ①伴走の声迫りくる冬歩き ②粕汁や山の涯(はて)なる母の実家(さと) ③粕汁に鮭と…

船木・瑞松庵(ずいしょうあん)の便り

厚狭の東隣・船木(現在山口県宇部市大字船木)は江戸時代厚狭毛利家の給領地で、家中では船木を上厚狭(かみあさ)厚狭の周辺を下厚狭(しもあさ)と呼び習わしていた。 何れも旧山陽道の宿場町で船木は本宿(ほんじゅく・大名なども宿泊)厚狭は半宿(はんじゅく・…

「ふりさけ見れば」・安史の乱(あんしのらん)

最近毎日の日経新聞を見るのが待ち遠しい。ひとつには現在の日本の金融政策がどう変わっていくのか、日本の財政はどうなるのかについて、自分なりの見立てと実際の推移がどうなるのかについてとても興味を持って注視していることがある。 然しもっと待ち遠し…

厚狭毛利家代官所日記・番外のつぶやき

江戸時代全人口のうち家族も含む武士階級の占める割合は各藩によって異なるものの概ね5~10%程度であったと推定される。 残り90%以上が百姓・庶民でありかれらは年貢など税を納めるとそれ以外は罪を犯さない限り基本的に義務は生じない。 武士は年貢か…

司馬遼太郎が見た毛利の家祖&サラリーマンの元祖・大江広元

図書館でたまたま目についた2001年に刊行された「司馬遼太郎がゆく」プレジデント社を借り出して読み始めているが、多くの人に読まれたらしく本の体裁がだいぶくたびれて来ている。 それだけ司馬遼太郎さんに対する支持が多い証拠かもしれない。色々な角…

懐かしいコメダ珈琲店

大阪に住んでいた頃コロナが激しい時を除いて、自宅から2kmちょっとのところにあるコメダ珈琲店に歩いて行き、モーニングセットでコーヒーを頼み新聞や週刊誌を読むのをウオーキングも兼ねた日課にしていた。 こちらに引っ越して歩いて行ける範囲内の喫茶店…

厚狭毛利家代官所日記No52慶応2年(1866)⑥軍艦購入費の献納と玉木文之進

四境戦争が孝明天皇の勅命で休戦、実質勝利に終わった後、厚狭毛利家のある長州藩吉田宰判では此の後の防備のために軍艦を購入する費用を村々が献納したことが代官所日記に記されている。 9月23日に記録されている願書覚え(この部分は山陽町史の訳を引用)…

にっぽん百低山・金剛山

NHKTVに、酒場詩人を自称して「酒場放浪記」で著名な吉田類さんが山登りに挑戦する「にっぽん百低山」と言う番組がある。 もちろん題は深田久弥(ふかだきゅうや)の「日本百名山」をもじったものに違いないが、私も山歩き程度であれば好きなので番組表で見付…