読書の勧め

「金持ち父さん貧乏父さん」

日本人の一般的な通念からすると少し刺激的な表題の本を、通学のため下宿中の孫の机で見つけ、どうしたのか尋ねると友達から借りてきたとの事だった。「アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学」という副題が付いたこの本、ロバートキヨサキ著、白根美保…

「沖縄の歴史Q&A」

今から半世紀以上さかのぼる私の義務教育時代の社会科では、[江戸時代は長崎・出島を唯一の例外として厳格な鎖国体制にあった]と教わった。然し最近の日本史研究では、この時代「四つの口」と呼ばれる対外的な窓口が開かれていたというのが定説になってお…

日本外交の祖・陸奥宗光との縁

私の本を送ったなかでいろいろと反響を頂いたが、同級生の一人から手紙とメールを貰い、その中に、母方が紀州の出自で陸奥宗光(むつむねみつ)と縁があったと書かれてあった。 (陸奥宗光は日本外交の基礎を築いたとも言える人物で外務省にその像が立つ)文中…

ミチクサ先生・子規との最後の別れ

日経新聞に作家・伊集院静さんが連載中の「ミチクサ先生」は前にも書いたように夏目漱石が主人公だが、実際に親友であった正岡子規との交遊がとても興味深く描かれる。司馬遼太郎さんは「坂の上の雲」で正岡子規と秋山好古、真之兄弟の同郷(伊予松山)の関係…

中国銀河鉄道の旅②餃子の話

2019年8月18日のこの日記に、上海に駐在していた際の餃子の想い出等を書いたが、沢野ひとしさんの中国旅行記「中国銀河鉄道の旅」にも餃子の話が出てくる。昨日のこの日記にも触れた、本の筆者の女友達「キタキツネ」のふるさと、中国黒竜江省竜江を…

「中国銀河鉄道の旅」と映画「初恋の来た道」

この本の筆者沢野ひとしさんはイラストレーターで、特に中国に思い入れが深いらしく、中国各地を訪れたエッセイを色々書かれている。 「中国銀河鉄道の旅」もその例に漏れず、北はハイラルから南はマカオまで各地の旅エッセイである。 基本は一人旅のようだ…

ミチクサ先生・夏目漱石の俳句

日本経済新聞の最終面に作家・伊集院静さんの連載小説「ミチクサ先生」が載っており、毎日の経済やお金のニュースの終わりに、ホッと一息つける構成になっており、私も楽しみにしている。普段からいろいろな道草が好きで、小説「道草」も書いた夏目漱石が主…

新聞の投稿短歌に共感

日本経済新聞の詩歌教養欄に週1回のペースで掲載される読者が応募する「歌壇」と「俳壇」があり時折本当に共感するような短歌や俳句に出会う事があり、必ず目を通すのを習慣にしている。今週歌壇の方に共感する歌が2首掲載されていた。私は短歌も俳句も専…

本の反響で嬉しかった事②読書のことなど

自費出版した私の本「厚狭吉亭日乗」を手渡したり郵送で少しずつ配っているのだが、ここ数日で現役時代勤務した会社の先輩お二人から相次ぎメールで嬉しい感想が届いた。お一人は、私が新入社員で配属された品質管理部門の先輩で新人時代から約10年くらい…

佐藤 優「人をつくる読書術」

佐藤優さんと言うと、どうも今から20年ぐらい前に世間を騒がせた記憶が残る。 政治家鈴木宗男氏と共にロシア外交の関係で背任等の罪に問われ有罪確定、ロシアの関係から、当時のマスコミが名付けた「外務省のラスプーチン」という負のイメージがあった。そ…

天下分け目・関ヶ原合戦の毛利家②

1月21日のこの日記に続く2回目 以下の内容は、朝日カルチャーセンターでの笠谷講師の講義、下関市立長府歴史博物館からの史料、光成準治著「関ヶ原前夜・西軍大名たちの戦い」やその他の史料を参考に自分なりに整理したものです。慶長3年(1598)8月…

甘糟りり子「鎌倉の家」

甘糟(あまかす)りり子と言う名前は週刊誌に時折載っている短い記事やエッセイで記憶の隅に残っていた。甘糟の姓は歴史好きなら知っている人も多いと思われるが、越後(新潟県)の戦国大名・上杉謙信の有力家臣一族で、上杉家が米沢に移っても続いている。甘糟…

和泉国・和田(にぎた)氏

私のホームコースのある大阪府堺市を地図で見ると、和田川など和田(わだ)という地名が、たくさん出てくる。 これは中世、和泉国(現在の大阪府を構成する、旧国名、摂津、河内、和泉の内の一つ)大鳥郡和田(にぎた)郷を中心に発展していった武士集団に由来し…

「大阪で本を作る楽しさ、難しさ」

1月4日のこのブログで取り上げた、大阪大学適塾記念センター発行の機関誌「適塾No53」に、統計を交えた面白い大阪の記事が載っている。大阪で、創業15年と新しくて小さな出版社を経営する中島淳(なかしまあつし)さんが、大阪という地域で本を作る苦労や…

適塾⑥福沢諭吉

以前このブログでも触れたように、私のふるさとを治めていた厚狭毛利家のお抱え医の家系・桑原兄弟が、緒方洪庵先生の大阪適塾塾生であったことから、それを調べる過程で大阪大学適塾記念センターが運営されている、適塾記念会に入会している。 この為最新の…

ようやく本が出来た。

このブログに書いてきたものの内、「ふるさと厚狭」の事や、「歴史関係」を中心に気になったものを抜粋して編集した、自費出版本が、年内ギリギリにようやく出来上がった。結構絞り込んだつもりだが、写真等も入れたため400ページを超えてしまった。表紙…

中断中のひとりごと・日日是好日

日日是好日(にちにちこれこうじつ)という言葉を、初めて聞いたのはいつだったか思い出せないが、春の日差しのなかでゆっくり好きな本を読んでいるようなふんわりとした語感がある。読み方や解釈にもいろいろあるようだが、私自身は「毎日を自分なりに前向き…

中断中のひとりごと・李登輝「台湾の主張」

台湾の元総統・李登輝さんについては、その死亡の報道を聞いて2020年8月1日のこの日記に「李登輝さんの訃報」を書いた。戦後、日本の支配から脱した後、本土からの蒋介石・国民党由来の支配が続いたなかで初めての台湾出身の総統として、台湾が民主化…

中断中のひとりごと・半藤一利「歴史と人生」

半藤一利さん「歴史と人生」幻冬舎新書、を読み終えた。 半藤さんは「文藝春秋」編集長等を経て近現代史分野や夏目漱石などに関する著作が多く、特に昭和の日本軍部に対するリアリズムの立場からの痛烈な批判は傾聴に値すると思っている。最近でも、全61巻…

中断中のひとりごと・私訳歎異抄(たんにしょう)

五木寛之著「私訳歎異抄」東京書籍刊を、近くの図書館から借り出して読んでいる。 「歎異抄」は浄土真宗開祖・親鸞(しんらん)滅後、弟子の唯円(ゆいえん)が、その思想が誤って理解され弘まっていることを嘆き、自分が直接聞いた親鸞の言説をまとめたもので、…

中断中のひとりごと⑯三木市でのゴルフとあれこれ

昨日は中国・上海に駐在していた折に、晩御飯で立ち寄っていた居酒屋で知り合ったメンバー3人で、兵庫県三木市の三木セブンハンドレッドゴルフ場へ。折から阪神高速が点検修理作業で、一部通行止めの影響もあり近畿道を中心に、行きも帰りも各2時間近くか…

中断中のひとりごと⑮アルメニア🇦🇲

最近立て続けに、トルコ、イランなどに挟まれた西アジアの国、旧ソビエト連邦の構成国「アルメニア」の名前を耳にしている。アルメニアの名前はこれが初めてでなく、古代ローマを題材にした映画、例えばソフィア・ローレン、スチーブン・ボイド、アレック・…

中断中のひとりごと⑨樹木希林「一切なりゆき」

樹木希林さんの言葉を集めた「一切なりゆき」~樹木希林の言葉~、文春新書版を読み終えた。 これは樹木希林さんが亡くなられた後に発刊されベストセラーの仲間入りしたものだそうで図書館の人気本コーナーに有ったものを借りてきた。近くの図書館にある人気…

中断中のひとりごと②逢魔が刻(おうまがとき)

今朝の朝日新聞第一面隅に載っている政府の広報で「交通死亡事故は日没後1時間に多発!」として交通事故防止の呼び掛けが行われている。これを見て先日TVで見た時代劇専門チャンネル製作の時代劇「闇の歯車」でストーリーの要になっていた「逢魔が刻」を思…

「十津川郷士」

京の都の周辺近畿地方には、丹波国(京都府)山国郷(やまぐにごう)の「山国隊」、山城国(京都府)小野郷八瀬庄(やせのしょう)の「八瀬童子」(やせどうじ)など深い奥山の里に生きる、天皇家や時の権力と繋がりがある不思議な集団が存在した。 「八瀬童子」は現在…

「信長公記」

「現代語訳・信長公記」太田牛一著、中川太古訳 (株)KADOKAWA刊を読み終えた。 著者の太田牛一は織田信長の側近家臣で慶長15年頃(1610)にこれを著したとされ現時点での評価では、私が講義を受けている笠谷教授を始め、織田信長一代を同時代人が詳細に…

「漢詩の扉」捲土重来(けんどちょうらい)

漢詩について、漢字だけが羅列された原詩を充分理解できるほどの素養は持ち合わせていないが、日本語に落とし込んだ読み下し文でなら、中国古代の人から日本人の作ったものまで作者の心の内を垣間見得る。漢字文化は東アジアに広く分布するが、言葉は分から…

「根に帰る落ち葉は」

南木佳士(なぎけいし)著「根に帰る落ち葉は」田畑書店刊を読み終えた。 著者は長野県佐久市在住の医師で芥川賞受賞作家、私とほぼ同世代。思いつくまま、依頼されるまま書いたエッセイを取りまとめたもので去年、庭の落ち葉を片付ける頃出版したことにも題名…

英語雑談力入門・walk a fine line

英語には自信がないので、サンマルクカフェで経済記事目的で見る「週刊東洋経済」巻末の「英語雑談力入門」は何時も、こんな意味か!、こんな言い回しか!と驚いたり感心したりで勉強になる。然しリタイア後は殆んど実際の英語と接する機会がなく、折角感心…

吉田類さんの俳句と短歌

昨年6月6日のこの日記にBSの長寿TV番組「吉田類の酒場放浪記」の事を書いたが、その酒場詩人を自称する吉田類さんが、全国の酒場を訪ねた時のエピソードを中心に書かれたエッセイ集「酒は人の上に人を造らず」中公新書刊 を読んでいる。 東京下町、北海道…