動物言語学の幕開け・四十雀(しじゅうから)がしゃべる

文藝春秋11月号の巻頭随筆に動物学者で東大准教授の鈴木俊貴(すずきとしたか)さんが「動物言語学の幕開け」という題でエッセイを書かれている。

この名前と動物言語という言葉で直ぐに思い浮かべたのが、私のこのブログに2022年5月10日「四十雀がしゃべる」と題して書いた内容である。

NHK土曜朝のラジオ番組「山カフェ」でゲスト出演の動物行動学者・鈴木俊貴さんが、軽井沢で四十雀の鳴き声を追跡研究し、四十雀が鳴き声を言葉として使い分け文章も作っていることを証明されたと話をされているとの内容であった。

そのブログの最後に私の意見として

『私の勝手な思い込みだが、このような研究は一度突破口が開かれると急速に進化する場合が多い。
人間の言葉の進化過程の解明に役立ちそうな気もするし、近い将来人と動物が翻訳機を通じて対話が出来るようなことになるのかも知れない。
また動物毎の辞書作成も面白そうだ。』

と書いていたが、エッセイによると事態は予想以上の速さで進みつつあるらしい。概要は

・22年8月鈴木さん(38歳)はスエーデンで開かれた国際行動生態学会に招待され基調講演を任され、どのようにして四十雀語を解明したのかを話した。

・最後に聴衆に伝えた最も大切な観点は、人間だけが言葉を持つ特別な存在ではない、人間には人間の言葉があるように四十雀には四十雀の言葉がある。そのように考えることが進化学的にも正しいはず。

・鈴木さんは2023年4月東大准教授として動物言語学という新しい学問を立ち上げた。四十雀語の研究を起点に他の動物の言葉の意味も調べ、動物達の会話を理解することが目的である。

🔘この動物言語学とAIを組み合わせると色々な動物と人間が普通に会話出来る時代が直ぐそこに来ているような気がする。その時人類はどのような革新的な影響を受けるのだろうか。またそれは私の生きているうちに可能になるのだろうか。

🔘今日の一句

 

踏む音が葉色を告げて野路の秋

 

🔘介護棟屋上庭園、ネメシアの仲間と思われる。