塩野七生さん各人各句・アレクサンダー

自分で云うのも何だが、子供の頃からの筋金入りの日本史好きで、そんな私に世界史への扉を開けてもらったのがイタリア在住の作家・塩野七生(しおのななみ)さんの「ローマ人の物語」だった。

家内の買い物のアッシーを勤める際は、だいたい近くの「ドトールコーヒー」で待つので、時間潰しの本等が必要で今回は施設のライブラリーで急ぎで何気なく借りた文藝春秋の古い3月号、
この中に塩野七生さんの面白いエッセイ「各人各句」が載っていた。

西洋史のなかで何れも塩野さんが作品対象とした、アレクサンダー、カエサル、フリードリッヒ二世、英雄3人の後世に残る言葉を取りあげ書かれている。

塩野さんは自分が執筆を決意する動機はその人物の歴史上の重要度ではなく、その人が言ったという一句が目にとまり、このようなことを口にする男とはどんな人間であったのかに興味をもったことに始まると云われている。

アレクサンダー大王
有名な哲学者・アリストテレスはアレクサンダーが少年時代の教師であった。
ギリシアマケドニア王になっていた21歳のアレクサンダーは50歳に達していた旧師アリストテレスに東征(ペルシャ征服)の計画を話す。

アリストテレスは数年先延ばしにして経験を積み慎重に対処するすべを学ぶようにアレクサンダーへ話す。これに対してアレクサンダーが答えた。

「おっしゃるとおりでしょう。年齢を重ねれば経験も増すだろうし、慎重さも身についてくるでしょう。しかし、若いからこそ充分にある、瞬時に対応する能力は衰えてきます」

こういって大遠征を成功させ、当時世界の果てと認識されていたペルシャを超えてインダス川まで到達する。

この無鉄砲な若者になぜ10年の歳月、万を越える西洋世界の男たちがインドくんだりまで従いて行ったのかを知りたくて塩野さんは「ギリシア人の物語Ⅲ 新しき力」を著したと書かれている。

カエサルとフリードリッヒ二世は次回で。

🔘朝ドラ「ちむどんどん」では、鈴木保奈美さんが突然の恐い顔で中原中也の詩集をもって現れた。中原中也は同郷山口県の生まれである。

【朝ドラに ふるさと想う 中也の詩】

🔘施設の庭シリーズ