2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

お知らせ

いつもこのブログを読んで頂きありがとうございます。 しばらくの間休ませて貰うことにしました。一定期間後再開しますので今後ともどうぞ宜しくお願いします。 八尾ノ厚狭吉

御食国(みけつくに)のことなど

先日家族三人で淡路島を訪れたことをこのブログで書いた。その淡路島で一番目にしたのが「国生みの島」というキャッチフレーズで、これはよく知られているようにイザナギ、イザナミによる国生み神話で日本で一番最初に生まれた島は淡路島だとされることに由…

「出雲尼子(あまご)一族」

米原正義著「出雲尼子一族」吉川弘文館刊を読み終えた。 出雲国(いずものくに・島根県)月山・富田城(がっさんとだじょう)を本拠にして中国地方に覇をとなえ、大内氏や毛利氏と存亡をかけて戦国時代を争った尼子氏を研究追跡した書である。 毛利元就の生涯か…

淡路島と「俳句を愛するならば」のことなど

一昨日、昨日と用事があり娘がこちら神戸に来て、ついでに淡路島へ三人で一泊旅行に出かけてきた。 用事を済ませたあと、車で明石海峡大橋経由、洲本温泉旅館・ホテルニューアワジで一泊、翌日同じ淡路島にある「淡路ファームパーク・イングランドの丘」で花…

「歴史をうがつ眼」

推理小説作家・松本清張さんの歴史関係の講演や対談を文章化した「歴史をうがつ眼」中央公論新社刊を読み終えた。 「うがつ・穿つ」とは辞書を引くと(穴)をあける。掘る。突き抜けて進む。といった意味で松本清張さんらしい表現のように思われる。 内容は…

「坂の上の雲」⑰日本海海戦

連合艦隊とロシア・バルチック艦隊との決戦・日本海海戦は明治38年5月27日の哨戒艦「信濃丸」の五島列島沖での「敵艦隊203地点(この付近に設定されたNo)に見ゆ。時に午前4時45分」の電信に始まる。 この電信を受信した三等巡洋艦「和泉」は午前6…

「木曽義仲」

下出積與(しもでせきよ)著「木曽義仲」吉川弘文館刊を読み終えた。著者は大学教授などを歴任した日本史の専門家で1998年に亡くなられている。 源頼朝や義経など源氏の正統と目される人物についての研究書は多いが木曽義仲(源義仲)に関しては非常に少なく…

最も記憶に残る本のなかの文章

5月13日のこのブログで文藝春秋の記事「私の人生を決めた本」に関連して私の記憶にある本のことを書いた。 その時今まで読んできたものを思い出すなかで今も記憶に残り自分の糧にもなった文章もいくつか浮かんできたが、そのなかの一番はやはりこれだと思…

日常の出来事二件

①施設通路に展示してある私の写真をぼちぼち取り替えねばと思っていたが、俳句サークルの先輩の協力で先日鉢伏山に登ったときに撮った明石海峡の写真をプリントして貰い同一場所に展示した。 スマホで撮っただけだかA4に拡大しても海峡の小さな船まで写って…

山陽町史③古代・厚狭の駅家(うまや)

大化の改新では全国を畿内と七道(東海道、東山道、北陸道、山陽道、山陰道、南海道、西海道)に分け周防国・長門国は山陽道に属した。また七道は都と各国府とを連絡する道の意味もあり30里(現在の約4里16km)ごとに伝馬を置きその宿駅を駅家といった。 特…

「俳禅一味の山頭火」

「分け入っても分け入っても青い山」「うしろすがたのしぐれてゆくか」など自由律ながら妙に心に残る句を詠んだ種田山頭火は私と同じ山口県の出身である。 先日このブログで金子みすゞについて触れた際、近代以降の山口県の文人三人として金子みすゞ、中原中…

「坂の上の雲」⑯奉天会戦

日露戦争は基本的に朝鮮半島や満州・中国東北部へのロシアの脅威に日本が存亡の危機感を感じたところから発生したもので、明治33年(1900)の北清事変(義和団事件)以来すでにロシアは大軍を満州に駐留させており、戦争は満州での陸戦で決着せざるを得な…

女子プロ・岩井ツインズと打ち放し練習

腱鞘炎(けんしょうえん)でもう一年以上ゴルフクラブを握れていない日が続いている。親指の痛みがあるのに続けてゴルフをしたり、必要に迫られ集中して書くことをしたりしている内に、ある日親指に激痛が走り車の運転にも支障を来すようになってしまった。 痛…

山陽町史②古代・条里制のなかの厚狭

大化の改新(645)により全国の土地人民は豪族の私有から国家の所有・公地公民となった。公民は男女6歳になると一定の公田が給され(例えば良民男子は2反)6年毎に戸籍を改めて公平を期した。これを班田收授法と呼ぶ。 この班田收授を効率的に実施していく…

「ロシアの歴史を知るための50章」

昨今のロシアが関わるニュースのこともあり、たまたま図書館で見つけた下斗米伸夫(しもとまいのぶお)編著「ロシアの歴史を知るための50章」明石書店刊を読み進めている。 編著者はロシア政治やソ連史の専門家で、時代別課題別の各章にそれぞれの専門家が分…

「坂の上の雲」⑮大諜報(だいちょうほう)

「坂の上の雲」の読み直しで全6巻のうちの第5巻内にある「大諜報」という章に差し掛かっている。 諜報とはスパイ活動のことであり、わざわざ大と付けているのは日露戦争の決着に多大な影響を与えたことを意味している。 この章は日露戦争の裏で帝政ロシア…

「私の人生を決めた本」

月刊誌・文藝春秋五月号の特集のひとつが「私の人生を決めた本」として掲載されており、副題として「読書家81人による史上最強のブックガイド」が付いている。 政治家・学者・芸能人・文筆家・経営者等々が自分の読書歴のなかで画期となった本について書い…

「坂の上の雲」⑭バルチック艦隊の大航海

日露戦争の勃発後ロシアは北欧バルト海を根拠地にするバルチック艦隊をアジアに回航して海上戦力を充実し、日本と大陸との交通を遮断して大陸の日本軍を孤立させようとした。 当時は日英同盟が機能しており、スエズ運河を始め世界の主要港湾都市は英国の管理…

同年令の昼食会/獺祭(だっさい)のことなど

昨日は同じ施設の同年令3人で垂水駅前に出掛け昼食を共にした。肉、野菜何れもある店で私は刺身定食を選択した。 ビールで乾杯したあとは世間話に終始したが、同年令ということもあり物事に対する立ち位置や意見に大きな食い違いがないことがよくわかった気…

映画「Codaコーダあいのうた」

住んでいる施設の映画会で2021年の米・仏・加合作映画「Codaコーダあいのうた」を鑑賞した。 初めて学んだのだがCoda・コーダとはChildren of deaf adults のことでろう者、聞こえない聞こえにくい親を持つ聞こえる子供のこととわかった。 心に響く映画…

山陽町史①古代・国郡制のなかの厚狭

中大兄皇子と中臣鎌足等による蘇我氏打倒を契機にした「大化の改新」は元号の使用に始まる国家の骨格を定める改革を順次行う。 大化2年(646)孝徳天皇は改新の詔(みことのり)を発し、これまでの国造(くにのみやつこ)制を改め全国を国・郡・里(り)の行政区…

映画「ペリカン文書」

NHKBSプレミアムシネマで放送された1993年の米映画「ペリカン文書」を録画していたのをようやく見終わった。 映画の題名は何かで記憶に残っておりそれで録画して置いたのだが実際に観るのは初めてである。 クレジットで原作者がジョン・グリシャムである…

「謙信と信玄」

録画していたNHKの歴史番組・歴史探偵「武田信玄 最強の秘密」を観ることと、図書館で借りてきた井上鋭夫(いのうえとしお)著「謙信と信玄」吉川弘文館刊を読むのがたまたま偶然に重なってしまった。 歴史探偵の方は比較的シンプルな分析で、武田軍の強さのカ…

「松本清張と日本の黒い霧 」

NHKBSで放送された「松本清張と日本の黒い霧 未解決ミステリー」を3月25日に録画したままであったが1ヶ月ぶりにようやく観ることが出来た。 松本清張の代表的作品のひとつ「日本の黒い霧」をもとにして特にその中の「下山国鉄総裁謀殺論」を取り上げ戦後…

鉢伏山・旗振山へ山行

昨日はざっと半年ぶりに鉢伏山経由で旗振山へ登ってきた。 ・居室ベランダから見る右手が鉢伏山、左手が旗振山 今年はずっと花粉症に苦しめられ山は見るのも嫌になっていたが、ようやく症状が無くなりこの際と思い出掛けることにした。 麓の須磨浦公園駅から…

「厚狭毛利家代官所日記」の終わりと「山陽町史」

このブログを始めたきっかけは身辺雑記と共に故郷・山口県厚狭の歴史を書いておこうと思ったことにある。 途中、江戸時代厚狭一円を領していた、萩毛利本家の一門である厚狭毛利家の民政記録である「厚狭毛利家代官所日記」を入手し、これは厚狭の歴史を知る…

5月句会/ナンジャモンジャの花

昨日は住んでいる施設の俳句サークル5月度例会が開催され私は4月にこのブログに書いた句のなかから選んだ上で手を入れ以下の5句を出した。 ①【春筍(しゅんじゅん)を噛む音が招く故郷かな】 ②【身も軽く散髪の春書を読まん】 ③【遠足の黄帽子溢れ駅弾む】 …

「坂の上の雲」⑬ロシアの弱点

明治37年2月6日日本はロシアに対し国交断絶を通告、日露戦争の勃発である。この時点で日本の国力、軍事力はロシアに比して隔絶しており日本の勝利を予測したものは、明治陸軍の教師役になったドイツ人メッケルなどごく少数で世界の大勢はロシアの勝利を…

金子みすゞと山口県の風土

先日4月28日のこのブログで書いた「金子みすゞ・魂の詩人」には著名な二人の方が金子みすゞとみすゞのふるさと山口県の風土の関係について述べられている。 ①児童文学家・矢崎節夫さんは埋もれていた金子みすゞを世に出した人として有名だが、その矢崎さ…