「坂の上の雲」⑬ロシアの弱点

明治37年2月6日日本はロシアに対し国交断絶を通告、日露戦争の勃発である。この時点で日本の国力、軍事力はロシアに比して隔絶しており日本の勝利を予測したものは、明治陸軍の教師役になったドイツ人メッケルなどごく少数で世界の大勢はロシアの勝利を予測した。

しかし当時の帝政ロシアには次のような問題を抱えておりこれらが間接的に弱点として戦争に影響した。

ユダヤ人問題

16世紀以降ロシア皇帝ユダヤ人をキリスト教徒に改宗させようとし拒んだものを迫害したため国内外のユダヤ人はこれを深く恨んだ。

日本は戦費の調達が大問題で高橋是清などを外債募集に当たらせたが、戦争に対する悲観的見方から応ずるものがないなか、アメリカ国籍ユダヤ人を始めとするユダヤ人ネットワークが反ロシアの立場から協力、軍費調達に成功する。

②国内外反政府活動

・十九世紀ロシアはポーランドフィンランドなど周辺諸国を侵略したため各国に独立運動が起こり軍や警察による鎮圧を必要とする事態になっていた。

・ロシア本土でも帝政の矛盾と圧政のなかでレーニンを始めとする革命家が続出しロシア革命の前夜ともいうべき状況にあった。

日本はこれら不平分子を煽動し帝政を内から揺るがすように仕向けることを決定、当時ロシア駐在武官であった明石元二郎大佐をこの任に当てた。

明石は日本の歳入が2億5千万円の時代に百万円の巨額の活動費を使い、日露戦争で日本の勝利を望む主だった人物に接触、デモや騒乱による撹乱を実行させた。この事が早期に戦争を終結させるという日本政府の思惑通りロシアを講和に向かわせる一助となった。

 

【黙々とクローバ撥ねて芝生守(しばふもり)】

 

🔘健康公園雑草ではないシリーズ、ハルガヤ