映画「Codaコーダあいのうた」

住んでいる施設の映画会で2021年の米・仏・加合作映画「Codaコーダあいのうた」を鑑賞した。

初めて学んだのだがCoda・コーダとはChildren of deaf adults のことでろう者、聞こえない聞こえにくい親を持つ聞こえる子供のこととわかった。

心に響く映画で、これはきっと何かの映画賞を獲っているに違いないと思い、見終わった調べてみるとやはり大当りで2022年のアカデミー賞作品賞助演男優賞、脚色賞を受賞していた。

題名の通り両親兄3人共に耳の聞こえない家族のなかで、ただ一人耳の聞こえる女子高校生のルビー(エミリア・ジョーンズ)は、家族の耳になり家業の漁業を手伝いながら学校生活をおくっている。

合唱クラブで指導の先生から歌の才能を認められ音楽大学に進む夢がふくらむが、歌が聞こえない両親は家業に困難を抱えていることもあり反対する。

一時は家族のために夢を諦める決心をするが、曲折を経て家族の理解も得られ、家業の先行きにも希望が見え、先生の協力も得てオーディションに合格し夢に向かって踏み出す。

両親と兄を演じるのは何れもろう者の俳優で、3人ともにハンディにめげない前向きな明るさとルビーを思いやる気持ちが溢れ出ていて、この映画の核心ともいえるような演技になっている。

父親を演じたのは米国のトロイ・コッツァーという俳優で、私は初めての出会いになるがこの映画でアカデミー助演男優賞を受けている。

娘が旅立つことが決まり、娘が唄う歌が聴きたくて大きな声で歌ってくれと頼み、娘の喉近くに両手を当てて歌の振動を感じ取ろうとする場面は、父親の心情が感じられて感動的な場面になっていた。

ずっと記憶に残りそうな映画のひとつである。

 

【鯉の性(さが)姿かたちは風まかせ】

 

🔘施設の庭、シラン(知らん?とは考えてみると変な名前だなと思い調べてみると漢字では紫蘭と書くようで納得)