NHKBSプレミアムで放映された2021年の米映画「クライ・マッチョ」を録画して観終えた。
原題も「CRY MACHO」なのだが原作の小説がそもそもこの題であるらしい。クライは泣く(鳴く)、叫ぶ、マッチョは男らしい、強い等の意味がある。
然し併せてみると意味深な題名で、映画に出てくる少年が連れている闘鶏用の雄鶏の名前が「マッチョ」で、この鶏に鳴けと言っているのか、(肉体的には衰えているが)男らしい主人公に泣け(泣いてもいいよ)と言っているのか、また他の解釈があるのか映画を観終わってもまだわからない。
監督主演がクリント・イーストウッド、イーストウッドには若い頃からずいぶん長い間楽しませて貰った気がするが、初めての出逢いは半世紀以上前のマカロニウエスタン「荒野の用心棒」だったかも知れない。
この映画は監督50周年の記念作品らしいが、監督作品についても思い出すとガントレット、グラン・トリノ、ハドソン川の奇跡等が浮かぶ。
物語は落ちぶれた老齢の元カウボーイが義理を返す為、メキシコからアメリカへ誘拐同然で少年を連れ帰るロードムービーを横軸に、少年との心のふれあい、追っ手や警察から逃れる為のファイト、途中出逢ったメキシコ女性とその家族との心のふれあい等を縦軸に描かれる。
老齢の背中の曲がったクリント・イーストウッドが困難を乗り越え責任を果たしたあと、少年から雄鶏「マッチョ」を譲り受け、メキシコ女性の元に戻るシーンは爽やかでゆったりとしたハッピーエンドで気持ちが温かくなる。
しかしクリント・イーストウッドの若い頃の鋼のような肉体を見て来ただけに、演技も含めて現在の姿をみることは、ほぼ同時代を歩んだ身には共感するような悲しいような複雑な気がしている。
🔘今日の一句
朝採りの甘薯山分け凱旋す
🔘介護棟屋上庭園のブッソウゲ(仏桑花)