住んでいる施設のミニ映画会で2020年の日本映画「椿の庭」を鑑賞した。
とにかく今まで私の観てきた日本映画の類型にあてはまらない不思議な映画である。
脚本監督は私が初めて出逢う上田義彦さん、広告も手掛ける写真家とのことで、植物や小動物などの細部にわたる映像が多用され類型に嵌まらないのは監督が写真家であることに依るのかもしれない。
ストーリーはネタバレにならないように最小限にするが、
夫を亡くした老齢の絹子(富司純子さん)が、椿などが丁寧に手入れされた庭のある海の見える古民家で、孫の渚(シム・ウンギョンさん)と暮らしている。
夫の相続税対策で住み慣れた家を手放さざるを得なくなり、自分の後始末心配りをして最期を迎える。
次女が陶子(鈴木京香さん)、長女は駆け落ちして海外へ行き事故死、残されたのが渚で、家族の行き違いが暮らしの中で少しずつ解きほぐされ、互いの思い遣りが理解されていき絹子の死を支えている。
常識的な映画は主人公の死で終わるが、この映画は死後、素晴らしい環境を持つ家や庭が重機で解体される衝撃的なシーンを写した後、渚が一人暮らしを始めている様子で終わってしまった。
私も最近住み慣れた家を壊し引っ越していることもあり、この辺りはどういう意図があるのか少し考え込んでしまった。
実はこの映画の主演が富司純子さんということに牽かれて観ることにしたのだが、その年齢らしい落ち着いた演技でなるほどと思わされた。
私の富司純子のイメージは藤純子主演・東映映画「緋牡丹博徒」の仁義口上にある。
『姓は矢野、名は竜子、またの名を「緋牡丹のお竜」と発します。
渡世修行中のしがなき女にござんす。
行く末万端、お見知りおかれまして、よろしくお引き回しのほどお頼ん申します。』
バックに流れる歌の方は下手なカラオケでも唄ったことがある、これも同名の「緋牡丹博徒」
♪︎♪︎娘ざかりを 渡世にかけて
張った身体に 緋牡丹燃える♪︎♪︎
🔘いい映画、いい歌、いい時代でした。
🔘垂水の高台に引っ越して初めての大型台風14号なので海の様子を定点観測してみた。
【南風(はえ)の海 慌ただしくも 模様替え】
・9月17日
・9月18日
・9月19日海は大荒れ
・9月20日台風一過