NHKBSプレミアムシネマで放映された是枝裕和監督の映画「海街diary」を録画して観た。
３人姉妹を捨てて出奔した父親の葬儀で異母妹と出会い、引き取って一緒に鎌倉で生活することになった４人姉妹と周囲の人々の織り成すDiary ・日記風の物語である。
海の見える街での一年間の色々な出来事や日々の生活、周囲の人々とのエピソード等を絡めて家族の絆が深まっていく様子が描かれるのだが、さして大事件が起こるわけでもないのに徐々に物語に引き込まれてしまう。
それぞれに個性がある４人姉妹全員がうまく役にはまりこんで、ほほえましくまた好感が持てる。
しっかり者の看護師で長女ーー綾瀬はるかさん
恋愛下手で地元信用金庫勤めで酒好きの次女ーー長澤まさみさん
おっとりしたスポーツ店々員の三女ーー夏帆さん
サッカー選手で芯が強い４女ーー広瀬すずさん
中学生の広瀬すずさんが心に負い目を背負いながらも、新しい土地で新しい生活に懸命に溶け込もうと努力する姿は、姉妹それぞれの支え方と相俟ってこの映画の良さを代表しているかもしれない。
またこの４人姉妹の周りに出てくる出演者の一人一人の個性が映画全体を包み込んでいるような心地よい雰囲気を作り出している。特に印象に残ったのが、
海辺の食堂のおばさんーー風吹ジュンさん
喫茶店のマスターーーリリーフランキーさん
姉妹の大叔母さんーー樹木希林さん
記憶にずっと残りそうなのは、４姉妹で庭の梅の実をもいで梅酒を作るシーンで、この梅酒が色々な場面で効果的に顔を出してくる。
もう一つの気になる食べ物が鎌倉の海でとれるしらすを乗せたトーストで、これが父親と鎌倉を結ぶキーになっている。
映画の終わりの字幕の中で知ったのだがこの映画の原作は
吉田秋生さんという作者の同名コミック漫画とのこと。
なるほどこういう地味とも言える物語のコミックもあるのかと妙に感心してしまった。
良いものを見せてもらったその余韻が残る映画だった。
◎いよいよ菊科の出番らしい
