角田光代さん「物語の海を泳いで」

作家の角田光代(かくたみつよ)さんは直木賞作家で、
「八日目の蝉」や「紙の月」などの作品が世評に高いことは知っていた。
また時おり新聞や雑誌でエッセイも手掛けられ名前を見ることも多かったが、今まで小説作品は読んだことがなかった。

先日近くの図書館に出掛けたのは閉館時間の間際で、本の返却と併せあわてて借りだしの本を選んでいると、新刊コーナーに角田光代さんの新しい本が置いてあり、てっきり小説と思い借り出したのが「物語の海を泳いで」小学舘刊だった。
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読み始めて分かったがこれは著者が本を読んで、読み尽くして書いた書評、あとがき、エッセイの集大成である。

作家が本を読むのは仕事上当然とも言えるが、その読書の範囲は、漫画、絵本、翻訳小説、エッセイ、詩集、ノンフィクション、小説、あらゆる分野に及んでいる。

この中は三部構成で
Ⅰ : 物語に出合う ーー16のエッセイ
Ⅱ : 心に残る、あの本この本ーー60の書評、読後エッセイ
Ⅲ : わたしの読書日記ーー年4回春夏秋冬に月刊誌・「文藝春秋」に寄稿された各回10冊の本を読んでの読後日記。29シーズン分、計290冊の本の事が語られる。

正直言って著者・角田光代さんの半端でない読書量には圧倒されてしまった。
私も小学校の近くにあった町立図書館に始まり、本は人に負けない程ずっと読んで来たつもりだが、とても敵わないなと白旗を挙げてしまう。

宮本輝椎名誠伊集院静太田和彦沢木耕太郎西原理恵子辻原登等々の私の読書歴と重なる人も多少出てくるが、とにかくその範囲の広さ、質、量はとても凡人の及ぶところではない。

こうなったらとにかく角田光代さんの小説を一度読むしかないなと思ってしまった。

◎これは以前同級生から名前を教えられたオシロイバナのような気がする。
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