金融政策はどうなるのか?

昨今あらゆるメディアで日銀の新しい正副総裁人事とこれからの金融政策がどう変わるのかを考えさせる記事や番組がこれでもかというくらいあふれ出ている。

これらの中には当然のことながら現在の黒田日銀が10年にわたって進めてきた異次元緩和の評価がどうであるかが前提になっているが、極端な否定や肯定論は除外して全体の論調を見ると、当初数年間の取り組みはサプライズもあり、デフレ脱却や株価上昇、雇用状況の改善など効果があったが、後半になると財政規律や悪い円安などへの悪影響を指摘する人が多い傾向が見て取れる。

この度日銀総裁に指名され国会の承認を受けることになる植田和男氏は経済学者で日銀総裁に学者が就任するのは今までにないサプライズ人事らしい。

実はテレビの討論番組で、植田氏が去年7月に日経新聞上で現在の日銀金融政策についての論文を書かれていると紹介があり、確かに私も読んでなるほどと思った記憶がよみがえってきた。

昨今自分の勉強もありこの種の記事には目を凝らしているのが効を奏したのかもしれない。

その論旨の概略は

・現在の金融緩和は必要である(必要であった)。

短期金利を日銀がコントロールすることはやむを得ない。

・しかしYCC(イールドカーブコントロール)を通じた中長期の金利の押さえ込みは市場に委ねるべき。

ではなかったかと記憶している。

このような論文から推測すると、新しい日銀は現状の政策を基本にしつつやはり少しずつ世界の潮流に乗って景気の動向を見ながら金利をあげていき、円安を是正する方向に舵を切るのではないかと思うのだがどうだろうか。

この場合デフレに逆戻りしないか、金利の高騰から財政への悪影響を及ぼさないか等々極めて慎重な対応が必要になるだろう。

経済は全くの門外漢ながら、専門家の間でも同じ事象を見ても見解が全く違う面白さがあり、更に輪をかけて実態経済の複雑さがあり、私のようなものも岡目八目的に見て勉強になるような気がしている。

少なくとも今年一年は金融政策から目が離せない。

 

【ひっそりと介護の庭に小梅在り】

 

【身を縮め膝つき愛でる白小梅】

 

 

🔘介護棟の白い小梅