今年は経済が激しく動きそうな予感がしている。
昨年末日銀が2013年から継続している金融緩和策を修正すると受け止められるような動き、即ち長期金利の変動許容幅を0.25%から0.5%に拡大し実質的な長期金利を0.5%とするような引き締めに舵を切った。
この影響は直ぐに住宅ローンの金利や為替に及んでおり日本の財政赤字や株価変動、景気がどのように変化するか、今後の日銀の政策の方向性と併せ金融や経済を勉強するものにとって極めて興味のある局面に差し掛かっているように思われる。
私はどちらかと言えば財政規律が必要(ガチガチではないが)だと考える方だが、最近金融緩和を支持する方向で時折、MMT(Modern Monetary Theory)・現代貨幣理論という金融経済論が持ち出されるケースがマスコミ等で散見され、敵を知るという意味からも一度この論に触れてみたいと思っていた折り、たまたま図書館で望月 慎 著「MMTがよくわかる本」という本を見つけ借り出して読んでみた。
本の副題がやさしいとあるが、著者があとがきに書いているように実際は難解で、経済学のベースがないと理解するのは結構難しいように思われ、私など門外漢には今後も市場の動向を見ながら継続的な学習が必要と思われる。
しかし読んだことは決して無駄でなく、私の基本的な考えは変わらないものの、今まで知らなかった貨幣を負債と見なす考え方を含め、以下の点などで云わばMMTを誤解していたことを知らされた
🔘現在の日銀の金融緩和策を推進するリフレ派や積極財政派は日本の財政が危機的な状況にないと言っており、MTTもその事について一致していてここに誤解の根本があったが、その他については基本的に異なる考え方である。
・多くのリフレ派が有効と信じる量的緩和策やインフレ目標政策についてMMTは根本的に無効と断じており鋭く対立する経済論である。
・積極財政派は総需要を拡充すれば庶民の厚生も改善されると説くが、一部の企業などに利潤が蓄積し不平等なインフレに帰結してしまうのでMMTでは的を絞った財政政策の策定が必要と考える。
🔘かなり説得力のある部分があり、今後も注意して論議の行方や実際の経済の動きをみていきたい。
【年新た 胸に火種は 未だ有りて】
🔘施設の玄関脇の馬酔木(あせび)