5月17日のこのブログでも触れたように私自身、日本の財政赤字問題については、
・自分や周りの人の生活に大きな悪影響を来す恐れ。
・通貨の発行権を持つ国家の赤字が、どこまで許容されるかと言う知的な興味。
の2つの観点からとても大きな関心を以前から持ち続けている。
日経新聞のマーケット欄に「大機小機」というコラムがあり、先日この問題についてとても興味有る「財政破綻を決めるのは誰か」と題した記事が寄稿されていた。
冒頭コラムの筆者は率直に「日本の財政は将棋に例えると既に詰んでいる、と見ている。換言すれば民主主義のシステムに基づいて、増税や歳出削減で財政バランスを取り戻すのはもはや無理なところまで来ているのではないか」
と述べている。
例えばインフレ局面で日銀が金利を上げて物価上昇を抑制しようとすると、日銀は民間銀行が日銀に預けている当座預金(我々の預金の裏付け)に利息を付ける必要がある。
日銀が持っているのはゼロ金利の国債ばかりなので利息が払えず、日銀は新たな借用証書を書き換え利息を払い続けるという多重債務者と同様の境遇に陥る。
日銀はどこかの時点で信用が失墜し、現預金から実物資産へのシフトが発生する。
どの時点で信用を失くすのかわからないがそれを決めるのは国民で、国民が愛想を尽かす時日銀の信用は崩壊する。
との記事の骨子である。
独立した存在と言われながら日銀の現状はどう見ても政府と一体であり、結局のところ政治への信頼が失われる時が日銀の信用が崩壊するときだと思われる。
日本の財政についてはかなりの国民が危惧を抱いていると思われるのでやはりこの信用崩壊は何がトリガーになるか、誰が引き金を引いてしまうのか、の問題であり、考えられるのは大規模災害、非友好国からの衝撃的な外圧、食糧・エネルギー等の供給危機、大規模な金融不安、政治の腐敗等だろうか。
危機が生じたとき国の信認が厚く財政に余裕が有るほど復元力が働くが、財政に不安がある国ほど信用崩壊が始まるリスクが高いことを歴史は何度も見せてくれている。
目先は苦しくても信用崩壊が始まる前に何としても財政健全化に舵を切っていかねばならない。
このような姿勢を強く打ち出す事こそが信用を維持する鍵となるように思う。
◎似たような花が幾つもあるので自信がないが、桜の木の下で自生しているこれはヒメジョオンのような気がする。