昨日は住んでいる施設の俳句サークル5月の定例句会であった。
私は今までブログに出したり手元に書いて置いた句を推敲(すいこう)して以下の五句を出した。
今月の兼題は「藤」であり五句の内一句は藤を取り入れた。
①母の待つ藤棚ありし田舎駅
私の生まれた町の駅は地方では比較的大きい方で駅を出た右手に藤棚のある店があった。この駅前商店街も、人口減少と水害の影響もありほとんど店じまい、藤棚もその店も今はもう見られない。
②歩めども山頭火には成れぬ春
俳人・山頭火は私と同じ山口県の出身である。放浪とも云うべき生涯を送ったが、その自由律の素晴らしい俳句と、どうしようもない私生活は共にとても真似が出来そうにない。
③宵の雨朝霞にて雲に帰す
昨日降った雨が翌朝霞になって天に戻っていく様子を自然の摂理と思い詠んだ。
④夕燕飛翔自在に虫を狩り
ベランダから見ていると燕が私の眼下を自由自在に、また障害物をすり抜け虫取りに飛び回っている。子育てにこれから大変だろうと思ってしまう。それにしても燕の飛行技術は鳥のなかでも群を抜いている。
⑤西域へ二胡が誘(いざな)い春終る
先日施設で二胡の演奏会があり、以前読んだ本に書かれてあったと思うが騎馬民族が遠征する際、二胡を背負って駆けたことが頭に浮かんだ。
🔘結果は①と⑤の句がそれぞれ3人の方から選に入れて頂いた。
残りの②、③、④の句はそれぞれ1人ずつ選に入れて頂いた。
更に①の句は別のお一人から特選に推して貰い総合的に見ても嬉しい結果であった。
🔘私が特選とした句は
淡州(たんしゅう)に向く墳丘に黄砂降る
これは私の住む場所に近く淡路島を臨む地にある五色塚古墳を詠んだものと直ぐに分かった。ちょうど今古墳について色々学んでいる折りでこの古墳に行って見たいと思っていた矢先であった。
また淡路島を律令制の呼び方、淡路国・淡州と表現しているのもよかった。