マスコミとの対話

歴史・時代小説の巨星 生誕100年②司馬遼太郎

2023年に生誕100年を迎える巨星の二人目は作家・司馬遼太郎さん。 初期の西域ものと言われる「ペルシャの幻術師」などから、直木賞を受賞した「梟の城」を中心にした忍者小説、更に「竜馬がゆく」「燃えよ剣」「坂の上の雲」など男の生き方を描いた歴…

「正岡子規・よもだのエネルギー球」

文藝春秋の創刊100周年と銘打った新年特大号には101年目の超大型企画として「101人の輝ける日本人」と題が付き「日本人を感動させ、ワクワクさせた人々の最高にチャーミングな素顔がここにある」とした101人のそれぞれを身近で観た人が101の…

「鎌倉殿VS朝廷・承久の乱の真実」

文藝春秋の創刊100周年新年特大号はさすがに面白い記事が沢山あるがこれもそのひとつ。 夫婦共に東大史料編纂所教授という歴史家の本郷和人氏、本郷恵子氏の承久の乱を中心にした対談を取りまとめた表題の「鎌倉殿VS朝廷・承久の乱の真実」である。 承久…

歴史・時代小説の巨星 生誕100年①池波正太郎

2023年は池波正太郎、司馬遼太郎という国民的人気作家2人の生誕100年に当たるということで色々なマスコミで取り上げられたり行事が計画されている。 日経新聞の元旦記事第二部でも「歴史・時代小説の巨星 生誕100年」との見出しで紹介があった。 共…

平成の天皇皇后両陛下大いに語る

雑誌・文藝春秋は作家・菊池寛が創刊して今年で100周年を迎えるらしく通常の1.5倍のボリュームで新年特大号が発行されている。 記念の号らしく充実した中身になっているが、そのトップ飾っているのが「平成の天皇皇后両陛下大いに語る」という昭和史家…

歴史探偵「戦国大名・島津、強さのルーツに迫る 」

NHKTVに「歴史探偵」という番組があり探偵社の所長役が俳優の佐藤二朗さんで、色々な歴史のテーマに対し独自の調査を行い、その要因や源流を解明する番組スタイルになっている。 佐藤二朗所長と探偵役のNHKアナウンサーとのやり取りも面白くてテーマを選んで…

菊池寛賞受賞・NHK「映像の世紀バタフライエフェクト」

小説家・菊池寛は私の中学生時代に図書室で文学全集の「菊池寛集」を読んでおり「父帰る」や「恩讐の彼方に」が記憶に残っている。 菊池寛は自ら文藝春秋社を起業、芥川龍之介賞・直木三十五賞の創設に関わった。 その菊池の名を冠した菊池寛賞は様々な文化…

「鎌倉殿の13人」北条政子の名演説と時代考証

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では後鳥羽上皇が執権・北条義時追討の院宣(いんぜん)を下し、朝廷と鎌倉幕府が対決する「承久(じょうきゅう)の乱」の始まりを告げる状況にさしかかっている。 動揺する鎌倉の御家人一同を結束させ、史上初めて東国武士団が西国…

「日米開戦不可なり」~ストックホルム 小野寺大佐発至急電~

毎年12月8日になると昭和16年(1941)12月8日の真珠湾攻撃による日米開戦・太平洋戦争を思い出すが、なぜ無謀としか言い様のない戦争に踏み切ったのか繰り返し考えさせられる。 今年の12月8日に再放送され録画していたのをようやく観終えた、1…

映画「島々清(かい)しゃ」

民放の深夜に放送された2016年の日本映画「島々清しゃ」を録画して観終わった。 毎日のルーチンで録画のための番組表を当たっていたらたまたま題名が目につき予約しただけでこのような映画が制作されていたことも全く知らなかった。 沖縄に「島々清しゃ…

NHK番組・歴史探偵での「正岡子規」

近代俳句の祖と云われる正岡子規については伊集院静さんの「ノボさん」や司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」で親近感を覚える存在である。 また最近施設の俳句サークルに参加させて貰うことになり余計に関心が高くなっていたところで、NHKの番組「歴史探偵」で…

日本語・国語についてのあれこれ

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は最近相当人物の入れ替わりが激しいが、なかでも存在感のあるひとりが後鳥羽上皇のアドバイザー「慈円僧正(じえんそうじょう)」、この振る舞いを見て以下を書くつもりになった。 慈円を演じているのは山寺宏一という方で、…

幕末の「長州砲」追い求めて

日経新聞の文化欄で突然「長州砲」の文字が飛び込んできて目が釘付けになってしまった。 大阪学院大学の総合学術研究所長・郡司健(ぐんじたけし)氏が書かれた「幕末の長州砲追い求めて」という寄稿文である。 専門は会計学らしいが先祖が長州藩で大砲の鋳造…

中島みゆき「ファイト」

家内の買い物のアッシー役で勤務中に、時間待ち喫茶店でインターネットを繰っていたら元週刊誌・サンデー毎日編集長と称される潟永秀一郎さんが歌手・中島みゆきさんを評した 『「日本のボブ・ディラン」の名曲の歌詞を読み解く』という文章に遭遇した。 前…

小平奈緒選手の全日本500m8連覇と引退

昨日は平昌パラリンピックの金メダリスト・小平奈緒選手が、自分自身の現役引退試合と位置付けた全日本スピードスケート距離別選手権の女子500m競技が行われ、小平選手をずっと応援しているものとしてNHKBSの実況中継を固唾をのんで見た。 結果はあの高木…

AI(人工知能)による画像生成

小学校の時代から、音楽と図画はいつも自信を失う時間だったような気がする。 歌の下手は今のカラオケに繋がっているが、ただ詩のきれいな歌を歌うのは決して嫌いなわけではない。 図画でも子供心にもなかなか納得するような絵が描けた記憶がなく、今住んで…

鉄道150年 長州人・井上勝(いのうえまさる)

文久3年(1863)5月10日長州藩は攘夷の先がけとして下関海峡を航行する外国船を砲撃した。 その同時期、同じ長州藩は5人の有為な人材を英国へ藩費5000両を使って密航させ、制度や技術を学ばせることを決め彼らは5月12日横浜を出航、上海を経由し…

「かいぼり」と治水のことなど

新聞の文化欄で半世紀以上聞いたことが無かった懐かしい言葉に出会った。 「かいぼり」である。漢字で書くと「掻い掘り」でため池などの水を抜いて泥を掻き出して池の点検や水量を確保することを言い、古くから行われてきた。 記事は『都会でも楽しく「かい…

朝ドラ「舞いあがれ!」東大阪と五島のことなど

NHKの朝ドラ「舞いあがれ」が始まった。空への夢を抱く少女の成長物語らしいが、飛行機を作る方へ向かうのか操縦する方なのかどうなのだろう? 舞台は実家のある大阪府東大阪市と祖母の家のある長崎県五島列島のようで早くも両方を見せてもらった。 東大阪は…

長州人の戦友を想う言葉

先日行われた安倍元首相の国葬で友人代表・菅前首相の弔辞は色々なマスコミが取り上げていた。 その中で菅さん自身の思いを最もよく詠み込まれた歌として紹介されたのが、山県有朋が伊藤博文に先立たれた際に詠んだ次の歌であり複数の新聞が載せていた。 【…

「ちむどんどん」が終わってしまった

昨日で半年間続いたNHKの朝ドラ「ちむどんどん」が終わってしまった。長いような短いような半年だったが充分楽しませてもらった気がして感謝している。 沖縄を舞台にしたドラマとなるとどうしても本土とのかかわり合いから贖罪の気持ちが出てきてしまい、こ…

「100万本のバラ」

歌手・加藤登紀子さんが歌う「百万本のバラ」は好きな歌のひとつである。 あの繰り返すフレーズ「あなたにあなたにあなたにあげる」のところがお気に入りで何回か唄う努力もしてみたが、全体に難しい気がする歌で生来の音痴にはなかなか歯が立たない。 元々…

「殺し屋・善児」

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は史実と創作の境界があいまいなところがあり好き嫌いが分かれそうなドラマである。 その創作の部分で、登場した時点から特異な存在感を放っていたのが「殺し屋の善児」で、頼朝の子・千鶴丸や北条義時の兄・宗時を皮切りに…

「友だちのうちはどこ?」

1987年のイラン映画「友だちのうちはどこ?」がNHKBSのプレミアムシネマで放送され録画して観終えた。イランの映画というのは多分人生初めて観ると思うのだが、単調で盛り上がりというのも特に無い中、終わってみると妙に心打たれる感じがある。バックに…

「日本はこうしてつくられた」と神功皇后(じんぐうこうごう)伝説

作家・安部龍太郎さんの「日本はこうしてつくられた・大和を都に選んだ古代王権の謎」小学舘 刊 を読んでいる。 著者は中世や戦国時代の作品が多かったが、現在日経新聞に連載中の「ふりさけ見れば」など古代にその興味や軸足がが移ってきているらしい。紀伊…

「二十四の瞳」

NHKBSの特集ドラマ「二十四の瞳」を録画していたがようやく見終わった。 云うまでもなく瀬戸内の小豆島を舞台にした戦前、戦後にかけての物語。岬の分教場に赴任した新任おんな先生・大石先生と受け持った12人の新一年生の交流が戦争を挟んだ時代のなかで…

「IT開発で失敗は不可避」

日経新聞で久しぶりにグサリと胸に刺さった記事に出会った。 経済教室という紙面に「私見卓見」というコラムがあり主に経済人などが色々な意見を投稿されている。今回「IT開発で失敗は不可避」との意見を出されたのは圓窓代表取締役という肩書きの澤 円とい…

「ちむどんどん」披露宴

今週の朝ドラ「ちむどんどん」での主人公・暢子と和彦との結婚式披露宴では二つの新しい出会いがあった。①そのひとつがレストラン「フォンターナ」のオーナー・房子のあいさつで紹介された。 先ずわかったことはフォンターナとはイタリア語で泉のことらしい…

塩野七生さん各人各句②カエサル

7月29日の続き塩野七生さんが西洋史世界のなかで最も魅力的な人物として挙げる古代ローマ人ユリウス・カエサルの言葉。今から2000年以上前のローマが共和制であった時代。 反乱が起きそうな事態になり元老院は大騒ぎになり共謀者とされる5人の即時死…

塩野七生さん各人各句・アレクサンダー

自分で云うのも何だが、子供の頃からの筋金入りの日本史好きで、そんな私に世界史への扉を開けてもらったのがイタリア在住の作家・塩野七生(しおのななみ)さんの「ローマ人の物語」だった。家内の買い物のアッシーを勤める際は、だいたい近くの「ドトールコ…