7月29日のブログの続き
塩野七生さんが西洋史世界のなかで最も魅力的な人物として挙げる古代ローマ人ユリウス・カエサルの言葉。
今から2000年以上前のローマが共和制であった時代。
反乱が起きそうな事態になり元老院は大騒ぎになり共謀者とされる5人の即時死刑が大勢であった。これに異を唱えたのがまだ30代のカエサルだった。
反乱になっていない事態で参加の意思ならば有ったと云う人々まで即死刑に処したならば法治国家であるローマの法に反するとして続けた。
「後になってどれほど悪い事例と断罪されていることでも、それが始められた動機ならば、善意から発していた」
「法の実施に際しては、後々までどのような影響を及ぼすかまで考慮して成されなければならない」
このときカエサルの言葉は通らず5人は死刑に処されたが塩野さんは、ローマ史以外でも諸々の歴史現象を見ていくうえで、このカエサルの言葉は胸に深く刻みこまれたと書かれている。
後に壮年期のカエサルは「賽は投げられた」という言葉で軍と共にルビコン川を渡ってローマに進軍、政敵ポンペイウスや元老院派との内戦に勝ってローマの実権を掌握するが、カエサル自身が王を目指していると疑った政敵により「ブルータスおまえもか」の言葉を残して暗殺される。
最近の色々なワールドニュースを見ると、例え法治国家であっても権力者の意向によって法の判断が左右されていると思える事例が数多く報道されている。
2000年の時を超えて生きているカエサルの言葉である。
🔘施設の庭園から南西方向の明石海峡大橋を見る
左手奥が淡路島、明石海峡を越えて右の播磨灘方向を見る、手前がゴルフ場
明石海峡を越えて左手が大阪湾