菊池寛賞受賞・NHK「映像の世紀バタフライエフェクト」

小説家・菊池寛は私の中学生時代に図書室で文学全集の「菊池寛集」を読んでおり「父帰る」や「恩讐の彼方に」が記憶に残っている。

菊池寛は自ら文藝春秋社を起業、芥川龍之介賞直木三十五賞の創設に関わった。

その菊池の名を冠した菊池寛賞は様々な文化の分野で業績を挙げた対象に贈られており例年雑誌・文藝春秋に発表される。

今年文藝春秋12月号で発表された受賞者のなかに、私の好きな番組のひとつでいつも録画して視聴しているNHK「映像の世紀バタフライエフェクト」も挙げられており少しだけ「やはり」という嬉しい感じがしている。

私も全く同感な簡潔な受賞理由をそのまま書くと

『世界各国から収集した貴重なアーカイブス映像で現代史をたどる人気シリーズに、一人のささやかな営みが連鎖し世界を動かしたという新たな視点を導入、歴史の汲めども尽きぬ魅力を伝えている』

となっておりバタフライエフェクトの意味も含め見事にその内容が凝縮されている。

以前から「映像の世紀シリーズ」を機会あるごとに観てきているが、今もバタフライエフェクトの一つ、「ナチハンター」を録画している。

第二次大戦でナチスが行ったユダヤ人を対象にした強制収容所での戦争犯罪人を個人で追及する三人を扱ったもので彼らの執念の働きがドイツや世界の戦争犯罪を許さないという世論に繋がっていく事を描いたドキュメンタリーである。

NHKは受信料などとかくの批判にさらされることも多いが、このような番組作りはなかなか民放には真似の出来ないものがある。

またこの受賞を喜ぶとして文藝春秋12月号に、NHKクローズアップ現代」で長年キャスターを務め私も注目している現在フリーのジャーナリスト・国谷裕子(くにやひろこ)さんが「心を静かに奮い立たせる番組」だとして寄稿されている。

 

🔘施設の園芸サークルの畑では風にも負けず大根が育っている。

 

【大根の 首高くして 這い出たり】