平成の天皇皇后両陛下大いに語る

雑誌・文藝春秋は作家・菊池寛が創刊して今年で100周年を迎えるらしく通常の1.5倍のボリュームで新年特大号が発行されている。

記念の号らしく充実した中身になっているが、そのトップ飾っているのが「平成の天皇皇后両陛下大いに語る」という昭和史家・保阪正康さんの記事で、保坂さんが作家・半藤一利さんなどと共に前後6回皇居を訪問し両陛下と懇談された内容をまとめたものである。

今回の記事はテーマ別にまとめられ数十年後に書かれる「実録」のための資料にも役立つようにとの意図も感じられる。今号では訪問することになった経緯や日常のこと、戦後の生活といったことと併せ昭和史の内「満州事変」が主要な話題のひとつとして挙げられている。

Q:天皇陛下の質問内容   A:半藤、保坂両氏の答え

Q:満州事変についてはどう考えていますか。

A:結局のところその後の日中全面戦争のきっかけであるとして、関東軍が仕掛けた謀略との事変の概略を伝える。

Q::関東軍と東京の陸軍とはどういう関係にあったのですか。

A:関東軍は東京の陸軍省参謀本部の意向を無視してでも満州を占領するつもりだった。東京も彼らの動きに全く気付いていなかったわけではなく多数の賛同者がいた。

等々

半藤さんや保坂さんは陛下の問いかけが「昭和天皇は、満州事変の直前から軍上層部には軍紀を守るように注意を与え、事変後も一貫して不拡大方針を守るように伝えていた。にもかかわらず軍はその意向を無視して暴走、事変が拡大したのはなぜか」という本質的な疑問が隠されていることを感じ、「満州事変は親子二代の天皇(昭和、平成)にとって痛恨の極みに違いない」と結んでいる。

🔘実は私も若い頃から満州事変から太平洋戦争に至る昭和史は「なぜ?」という意味も含め「考える」ことの対象であった。この点から今回の記事はとても読みごたえがあり次号以降の内容を待っている。

🔘記事の全体を読むと両陛下が歴史以外のことも含め色々なことを深く学ぼうとされる姿勢を感じることが出来る。

 

【お年玉 成人なれど 孫なれば】

 

🔘介護棟の庭シリーズ、小菊