中断中の独り言⑥「数学者は宇宙をつなげるか?」

冒頭から余談になるが、一時期仕事に関係の無い「経済」や「株」のことを真剣に勉強したことがあり、その時に「自分の頭で考える」自分でその事を理解することの大切さを先達から教えられ、以降大変な情報量の中で自分の座右の銘の一つとして情報を鵜呑みにせず自分の中で理解してからアウトプットすることを心掛けてきた。

今回このテーマは「自分の頭で考える」ことには全く歯が立たなかったがそれでもブログに書いておこうと思ったのは何故だろうか?

番組名に牽かれてNHKスペシャル「数学者は宇宙をつなげるか?」を録画していたがようやく観ることが出来た。

「自分の頭で考える」事に歯が立たなかったものの不思議に番組自体はとても興味深く最後まで集中して見終えた。
然し今まで自分が「数学」というものに感じていたものは、ほんの入口の一部に過ぎずもっと想像を越える拡がりや深さがあることが少しわかったのかも知れない。

a+b=c の3つの自然数を構成する素数、各々 についてその掛け算の答すなわち積の存在予測を示すのが数学の世界で誰も証明することが出来なかった難問・「 ABC予想」との事である。

これを最近証明したのが日本人の天才数学者・望月新一京大教授で(2020年これが科学誌に受入れられたとのニュースを当時観た記憶がある)この証明について未だに世界最高水準の数学者間で賛否の論争が続いているらしい。

🔘番組中で面白いと感じた言葉

・フランスの数学者
ABC予想を理解しようとするならかけ算は簡単だがたし算は難しいという事から始めなければ」

「数学に難問が沢山あるのはかけ算だけでなくたし算があるからだ」

このABC予想が証明されると学会でのこれまでの数々の難問が一挙に証明されるインパクトがあるほどのものらしく論争も数学を飛び越えたようなところがあり、

・証明はされてないとする学者
「数学とは違うものを同じとみなす技術で現代数学の原理原則である」
・望月教授
「同じものを違うとみなすことも大事」
「数学世界を宇宙と見なし異なった宇宙Aと宇宙Bをつなぎ、かけ算では成立するがたし算では成立しない世界を作る」ーーーこれが題名の由来らしい。

望月教授の証明が正しいかどうかまだ議論があるようだがもし正しいとすると我々は今、表題にもつながる「知の大変革」に立ち会っているらしく、挑んでいるのが日本人であることも含め今後の成り行きに俄然興味が湧いてくる。

🔘「自分の頭で考える」ことに全く歯が立たないことでも「面白そうだ」と感じることはあるものだと妙に自分自身が納得できるものがあった気がしている。
時にある部分がブラックボックスでもアウトプットは得られるものかもしれない。

🔘雨上がり、図書館の辺りでツツジが花ざかり