映画「遠い空の向こうに」

NHKBSプレミアムシネマで放送、録画していた1999年製作のアメリカ映画「遠い空の向こうに」をようやく観終えた。

観終わって、この映画は自分の記憶に残り続ける一本になると予感めいた気がしてきた。

観ている間不覚にも涙が2~3度出てしまったがこれは悲しい場面をみたからではなく、高校生の主人公ホーマー・ヒッカムが自分の夢をかなえようとする不屈の努力と、それを支える友人や先生、街の人とののエピソードを描いた場面からである。

映画の冒頭「これは実話である」という字幕が流れたが、NASAの技術者・ホーマー・ヒッカムの自伝「October Sky」を映画化したもので、October・10月は主人公ホーマーが1957年10月アメリカに先駆けてソ連が打ち上げた人類初の人工衛星スプートニク号を夜空にみて刺激を受けたことを指しているようである。

ネタバレにならないようスジは最小限にするが、

このソ連人工衛星に刺激を受けた高校生4人組(Rocket Boys)が小型ロケット作りに挑戦し、科学コンテスト全国大会で優勝することで、(小さな炭鉱街では大学に進学出来るのは一学年でフットボール奨学金を受ける一人だけで、残りは全て炭鉱で働く)という既成概念を打ち破り、4人全員の大学進学を可能にする物語である。

ここに至るまでの街や炭鉱の人々の協力、父や母の支え、などのシーンが色々と心に残るが、中でも以下の二点は描写や演技が素晴らしい。

・主人公が夢を諦めて炭鉱で働くことを告げたときの担当女性教師の言葉「自分の心の声を聞きなさい」が私にも刺さった。また教師は[誘導ミサイル設計の原理]という本を買い与え苦手である数学を克服するきっかけを作ってやる。

頑固一徹の炭鉱の現場監督の父親との対立と和解が、炭鉱に付き物の労働争議や落盤事故などを介して描かれ、臨場感があり特に父親役・クリス・クーパーの演技が素晴らしい。(クリス・クーパーには何かの映画で出会った気がする)

私のふるさと周辺は炭鉱地帯で、また若いときは日本全体がエネルギー革命で争議や事故のニュースが溢れており、この映画の描写は身につまされる。

🔘世の中には未だ知らない古い良い映画が沢山あるらしい。

🔘一日一句

 

初バイト教わり教えカフェの夏

 

🔘近くの施設の庭、ウッドリリーと思われる。