映画「太陽の帝国」

NHK BS プレミアムで放送された1987年の米映画「太陽の帝国」を録画再生して観終えた。

監督が「E.T.」や「シンドラーのリスト」のスティーブン・スピルバーグで戦闘場面や集団場面などさすがと思わせるシーンが随所にある。

主人公の少年・ジムを演じるクリスチャン・ベールは成人後も俳優を続け「バットマン」なども主役として演じているらしい。

日本人俳優としては収容所を管理する日本兵下士官役として伊武雅刀ガッツ石松などが出ている。

日本人以外で私の旧知の俳優は、小悪党ながら主人公と親しくなり彼を支えるベイシー役の個性派俳優・ジョン・マルコヴィッチ、米映画「プレイス・イン・ザ・ハート」で重要な役回りの主人公の女性の家の下宿人を演じたのが印象に残っているし、この映画でも存在感が光っている。

物語は日中戦争が展開中の中国上海が舞台で、更に太平洋戦争勃発に伴い日本軍が上海の外国人租界にも進出し、敵性外国人を収容所へ送り込む混乱のなかでイギリス租界に住む少年が両親とはぐれる。

少年は持ち前の明るさで人々との交流を得、生き延びるため知恵と勇気を振り絞り最悪の環境下を耐え、終戦後に両親と再会するまでが描かれる。

私は現役時代上海に3年間住んだので外国人租界があった外灘(中国名・ワイタン、英語名・Bund)も、そこを流れる黄浦江や近くの揚子江も知っているが、これらをロケ地に使ったと思える幾つかの場面は非常に懐かしさを感じてしまった。

映画のなかで、収容所の外国人に対する扱いや特攻隊の出撃など、旧日本軍の負の面の描写が出て来るが、やはり日本人としては少なからず抵抗を感じてしまう場面がある。

この映画の原題は「Empire of the Sun」で、原作のイギリスの小説も同題らしくまさしく「太陽の帝国」なのだが、この「太陽の帝国」が何を意味しているのか未だに理解出来ない。画面上に何度も出て来る日本の日章旗旭日旗から来る当時の日本を指しているのだろうか。

◉今日の一句

 

フェリー来て太刀魚舟は揺れ転(まろ)ぶ

 

◉近くの施設駐車場のガウラ(白蝶草)