中断中の独り言・福島県・桑折(こおり)の桃のお裾分け

施設の入居者の方から福島県伊達(だて)郡桑折(こおり)町の特産桃のお裾分けを頂いた。

桑折」の名前はその独特の読み方から記憶に刻まれていて、桃に付されていたメモからそれがよみがえって来た。

戦国時代後半、奥州を席巻した伊達政宗で有名な伊達氏は、元々常陸国(ひたちのくに・茨城県)の出自で、源頼朝が奥州・藤原氏を討伐した奥州合戦に戦功があり、奥州伊達郡の地頭職を与えられて伊達氏を称し、桑折郷に居住したことに始まる。

律令制の時代から桑折には伊達郡の郡司が政務を執る役所・郡家(ぐんげ)がおかれ、この事から郡(こおり)と呼称され、ここから一説には盛んな養蚕とも関連して桑折に転化したとも云われる。

伊達氏にはその支流で家臣として支えた桑折を本貫地とする桑折氏があるが、作家・山本周五郎の小説「樅ノ木は残った」で有名になった「伊達騒動」の当事者・原田甲斐(はらだかい)は桑折氏の縁者である。

郡家は郡衙(ぐんが)とも云われ、この役所がおかれた地には全国的に郡に関連した地名が多く残されている。

例えば私の郷里、山口県厚狭は古代から厚狭郡の郡家がおかれていたが、その郡家があった地域の呼称はやはり今でもそのものズバリの郡(こおり)であり、また私が現在住む対岸の淡路島・淡路市の海岸にも郡家(ぐんげ)の地名がある。

また桑折町は、長年の皇室への献上実績をもとに「献上桃の郷」と呼称されているようで、その高品質な桃は全国的にも知られているとのことである。

余談の方が長くなってしまったが、肝心な桃の方は、少し硬めの状態と時間をおいて少し軟らかくなった状態と時間差を意識して味わってみたが、何れも全く献上桃の産地の名に相応しい桃らしい桃の味がして感謝しながら美味しくいただいた。

🔘今日の俳句

最近あちこちで蝉が地中暮らしから抜け出た穴を見かけるが、各々の形はかなり真円に近くあの身体でどうやってこのような穴が掘れるのか興味がある。

形から見た勝手な推測ながら、ひょっとすると蝉の幼虫は回転運動をしながら掘り進んでいるのかとも思う。

 

蝉穴の奥に待ちたり深淵(しんえん)が

 

身ひとつで真円作り蝉出でる

 

🔘垂水図書館前の温室植物

エクメア・ファスキアタ

アンスリウムアンドレアナム