映画「パットン大戦車軍団」

NHKBSのプレミアムシネマで放送された1970年のアメリカ映画「パットン大戦車軍団」を録画再生して見終わった。

私の子供の頃は太平洋戦争を含む第二次大戦の兵器を、漫画で読んだりイラストを見たりして自分でもスケッチしたりしていたが、その憶えたひとつがアメリカ軍のパットン戦車だった。

当時はその名の由来など知るよしもなかったが、戦後開発された戦車シリーズに名を残したのがこの映画の主人公アメリカ陸軍のパットン将軍(最終階級・大将)である。

後で知ったのだがこの映画のアカデミー賞の受賞歴がすごい。「猿の惑星」のフランクリン・J・シャフナーが監督賞、主演男優賞がパットン将軍を演じたジョージ・C・スコット脚本賞ゴッドファーザーを監督したフランシス・フォード・コッポラ、その他作品賞、編集賞美術賞、録音賞を受賞している。

パットン将軍は第二次大戦史に残る指揮官の一人で、ドイツ軍の名将・ロンメル等と対峙して北アフリカ戦線、イタリア侵攻、ノルマンディー上陸、フランスからドイツ侵攻へと戦車部隊を中核にして戦い抜いた。

映画ではこの一連の戦闘を時系列で追いかけ、アメリカ映画らしい多数の戦車を始めとする凄まじい物量、考証の数々を見せつけられる。

ロンメル将軍は戦略家でありながら勇猛果敢でもあり国民的人気があったが、戦中戦後を通じて幾度か挫折を強いられる。

この要因となる奔放な言動、神経症患者への無理解、上層部との軋轢、友軍(英、ソ連)との軋轢などが戦闘シーンと並行して映画のなかで描かれ、それがこの映画に現実味と深みを与えている。

戦争というものが戦闘の積み重ねだけでなく、人間ドラマの積み重ねと交錯しあっていることを、この映画で今一度教わったような気がしている。

この映画で北アフリカからドイツ侵攻を通じ、常にパットン将軍の競争相手となる英国陸軍のモントゴメリー将軍は、戦後「モントゴメリー回想録」を書いており若い時分に日本語訳版を購入して読んだことがある。

🔘今日の一句

 

秋の灯やペン胼胝(だこ)いつか消え失せて

 

🔘施設の庭、オミナエシ(女郎花)