NHKBSで放送された1966年の米、仏合作で有名なルネ・クレマン監督の大作「パリは燃えているか」を録画してようやく観終えた。
ルネ・クレマン監督は「太陽がいっぱい」「禁じられた遊び」などで著名で、おまけに音楽担当が「アラビアのロレンス」「ドクトルジバゴ」のモーリス・ジャールこれだけで圧倒されそうだが出演者がフランス側、アラン・ドロン、ジャン=ポールベルモント、イブモンタン
アメリカ側、カーク・ダグラス、グレン・フォード、オーソン・ウエルズ、アンソニ-・パーキンス、ジョージ・チャキリス
等々リストを見るだけで疲れてしまう。
内容は第二次大戦のヨーロッパ戦線で、連合軍がノルマンディーに上陸を果たしてドイツに進軍するなか、ドイツに占領されていたフランス・パリをドイツの破壊から守ったフランスレジスタンス(抵抗運動)の活躍を描いた作品で、戦後の世代には馴染みの自由フランス軍の指導者として名高いド・ゴール将軍(後の大統領)も登場してパリを解放する姿が描かれる。
私は若いときにこの映画を一度劇場で観た気がするのだがそのときの記憶に残っているのはレジスタンスの人々の活躍のことばかりだった。
今回長い時間をおいて観て感じるのはレジスタンスより、ヒトラーの指示「パリを守りきれない場合は全てを破壊せよ」に背いて、「破壊してもドイツは敗けるのだから破壊は必要ない」と自ら判断するドイツ軍パリ地域防衛最高司令官・コルテイッツ将軍の行動でありこれが最終的にパリを救った。
どんな組織でも長く在籍すると組織の命令や行動が理不尽であったりおかしいと感じて自らの究極の判断を試される局面が必ずある。
この時の判断がその後の人生を分けることもあるが、英雄になるか戦犯として裁かれるかひとつの例を見せて貰ったような気がしている。
同じ映画を観ても若いときと年を経て観たときの受け止め方は違うものだと強く感じた次第である。
英語の原題「Is Paris Burning(パリは燃えているか)」はヒトラーが自分の命令を司令官が実行したかを確認する電話の声であり、その声が響くなかで映画は終わる。
【秋神戸 四人姉妹と 珈琲を】
🔘秋は色々な樹が実を付けるが、健康公園の内と外とで黐(もち)の木でも2種が違った実を付けている。
公園内黒鉄黐(くろがねもち)
公園の外周フェンスの外にある外来種・唐鼠黐(とうねずみもち)