日経新聞の「経済教室」という経済を分析した記事が掲載される紙面があり、そこに載っていた、中部圏経済研究所の島澤諭(しまざわまなぶ)氏の提起されている日本の財政についての分析〈10年後の財政「破綻確率」50%〉を読んで、深いため息が出てしまい、2度読み返した。
私は現在の日本が抱える財政赤字問題(現在ほぼGDPの2.5倍相当に累積)に関して、アジア通貨危機の折りにインドネシアなどの東南アジアのハイパーインフレを現地で体感した経験などから、楽観論には全く与しない。
ある期間は窮乏に耐えてでも健全化をやり遂げなければ、将来世代、場合によっては現在の高齢者世代を含み、大きなツケを払わざるを得ないことになると思っている。
国の信認や通貨の信認が崩れたときの状況は想像を絶するものがある。
島澤氏は日本のマクロ経済と財政の現状を確率モデルを用いて再現し、今後の推移を様々なパターンで5千回に渡り繰り返すことで、日本の家計の金融資産を超えて国の債務残高が増加を続けることを破綻確率に置き換えて推計したとされている。
分析の詳細過程は不明だが、島澤氏はこの問題に利害関係はなく、結果は客観的とみて良いのではないかと思われる。
その結果は10年後の破綻確率が50%、20年後は60%、同様の方法でG7諸国の10年後を比較するとその平均は7,9%と先進国の中で日本が突出して高い。
要するにこのまま行くと2030年頃には2つにひとつ、日本経済は破綻する可能性があるということになる、
これの是正には消費税15~20%程度の対策が必要とされるが今の日本にその覚悟はあるのだろうか。
現在のコロナ問題はまさしく経済危機であり危機時に財政支援を拡大したり暮らしを守る必要が最優先であるのは当然のことだが、危機の終わりが見えたときに、財政の規模を適正に戻すことを毅然と行う勇気が有るのだろうか。
このまま行くと子や孫の世代が全てのツケを負わされる可能性が最も高いと思われる
個人も国も支払い不能なまでの負債は何れ破綻を迎えることになる。
衰退期に入ったとまで酷評される日本の現状で、甘いことしか言わない、言えないリーダーとそれを選択した側は、歴史の審判が待ち受けることになるのではないか。
杞憂に終わればそれに越したことはないが通常、悪いことが起きるときは人の予測を超えて悪化する。
◎今日の日記は同級生から「またややこしいことを書いて!」と非難されそうな気がする。
◎歩きの途中、桜の木の下、図鑑を見るとマツバギクの仲間のような気がする。