財政赤字の報道 / 母の日のカーネーション

日経電子版の記事に、新型コロナ関連の景気対策で各国共に財政赤字が拡大している事が載っている。現時点での2020年の各国対GDP比率は日本が14.3%、米国13.6%、ドイツ18.2%、英国12.6%等である。

一見日本も各国比大差がないようにも見えるが、一方昨日のNHKTVニュースでは、この対策を主とした補正予算等で発生する債務を加えると、日本の国債や借入金を含む国の債務総額が実に1114兆4800億円になる見込みと伝え、今後の問題の進展次第で更に増加が考えられるとしている。

この債務総額は2018年度のGDP536兆円の2倍強であり、今米国内で騒がれている米国債務の増大にしても対GDP比で云えば一倍強であり、要は過去の積み重ねを加えた日本の累積債務の多さは先進国内で突出していると言うことである。

最近MMT理論とかで、通貨の発行権を持つ国は、強いインフレにならない限り財政赤字は問題にならないと言う人が居て、財政赤字を見て見ないふりをする風潮に拍車を掛けている気がするが、この強いインフレにならない限りというのが曲者で、不慮の事で人の心理が動揺すると一気に雪崩現象が起きることは歴史が教えてくれている。

私はアジア通貨危機の折りインドネシアに長期出張しその現実の一端を見たが、タクシーに乗るのにも札束が必要になる、自国の紙幣が紙切れになるのは本当に悲しく恐ろしい事である。

日本の債務はその殆んどが国内にあるから問題ないと云う人もいるが、昨今ではその消化を国自身である日本銀行が大部分担っており、これこそ変則事態と言えるのではないか。

コロナ問題で今は確かに出血を止めることが最優先であるのは間違いなく、特に事業者や就業者の救済を急ぎ進めなければならない。
その事と併せて日本人一人当たり約900万円の借金が肩にかかっている事実は常に意識しておく必要がある様に思う。
個人給付の10万円は嬉しくとても有り難いが、このツケを一体誰が払うのか少し心配になってくる。

娘から家内に送ってきた母の日のカーネーション
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