映画「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」

NHK BSプレミアムシネマで放映された2015年のアメリカ映画「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」を録画再生して見終わった。

よく知られているように第二次大戦が終結し、東西の冷戦が激しくなった1940年代後半から1950年代中頃、アメリカでは反共産主義基づく社会運動、いわゆる「赤狩り」の嵐が吹き荒れ個人の思想信条にまで影響が及んだ。

この「赤狩り」はハリウッドを中心とする映画産業にも波及し監督、脚本家、俳優などの内、共産党と関係があったとされる人物で、議会での召還や証言を拒否した者が収監されたり、リストアップされた人物は映画産業で働くのを排除された。

この映画の主人公で実在の脚本家ダルトン・トランボはこの赤狩りの対象になったグループのリーダー格で、収監もされ仕事も失う。

しかし家族にも支えられ、不屈の信念と抜きん出た脚本の才能でこの苦難を耐え抜き、復活を遂げるプロセスがスクリーンで表現される。

この映画で教えられたのだが、カーク・ダグラスが製作主演し、スタンリー・キューブリックが監督した「スパルタカス」、ポール・ニューマン主演でオットー・プレミンジャーが監督した「栄光への脱出」はこのダルトン・トランボが脚本を書いた。

またグレゴリー・ペックオードリー・ヘップバーンが主演し、ウィリアム・ワイラーが監督した「ローマの休日」は、脚本をダルトン・トランボが不遇時代に書いたため、友人の名前で公表された。

家族、仲間、仕事相手等との葛藤や絆のシーンも描写が丁寧で、この映画を引き立てている。何れにせよ学ぶべき内容が多い映画である。

🔘今日の一句

 

水引や小粒連ねて吾も花

 

🔘職員さんに教えて貰った施設の庭の片隅の水引草(水引)、長い花茎に小さな粒の花(約3mm)とその花柱(白いひげ約2mm)が多数連続して付いている。

花は上が赤く下が白くこの全体に細く長い形が水引(祝儀袋の飾り紐)に似ているところが名前の由来らしい。また秋の季語であることも知った。

なぜか葉が大きくダメージを受けている。