「AIは人類を駆逐するのか?/自律世界の到来」

太田裕朗著「AIは人類を駆逐するのか?/自律世界の到来」幻冬舎 刊を読み終えた。

著者はこの本が刊行された2020年6月当時は研究者を経てドローン関連スタートアップ企業の代表で、現在は退職してノーベル賞授賞者・中村修二氏と、レーザー核融合炉の商用化を目指すスタートアップ企業を創業されているとのことである。

この本は、現在も進化し続けているAIやAIの搭載されたロボットが「自動的に動く」存在から「自律的に動く」存在へと劇的に転換する時代がそこまで来ており、その可能性を負の部分も含めて説明したものである。

私が門外漢のこともありなかなかその内容を掴むのが難しく、結局2回読み返したがそれでも全て理解したかと問われると心許ない。

コンピューターが加速高度化した自動化に於いても独自に自らDecision(決断)することはなく、決まった動作の自動化で想定可能な有限なパターンの範囲に留まる、すなわち目的や目標はあくまで人が設計したものである。

これに対し「自律」とは獲得した価値に照らし合わせながら独自にDecisionし孤立した環境下で人が介在しなくても独立した判断を行う。

例えば人によって賛否両論があるような場合でも何らかの価値判断が働き適切なAction(行動)を自ら決める。すなわちほぼ人間に匹敵するものでその担い手が進化したAIである。

この先に、AIが自ら学習してルールを作り状況に応じて判断するということが想定され、世界的研究者の一人は、やがて技術的特異点(シンギュラリティ)が到来し、2045年にはAIなどの技術が地球上の全人類の知性を越え、それ以降はAIが自身でより賢いAIを作り人間には予測不能の未来が来ると語っている。

(先日の日経新聞にはソフトバンク孫正義氏が、「人間の頭脳を超える汎用人工知能が10年以内に実現し、人類の英知の10倍を達成する」と述べたことが一面に掲載されていた)

以降進化の道筋、到来した自律AIの時代に於けるバラ色の場合の未来、AIの進化が人間に理解されないなかで不具合事象が発生し大規模災害に至るような負の事例などが提示される。

いずれにせよその先は人間がAIをどう教育すべきかにかかっておりやはり未来を決めるのは人間であると結論付けている、

あくまで自分の理解した範囲で要約を書いてみたが到底全容を把握出来たとは言えない。もう少し他の参考書を読んだり生成AIも使ってみて少しずつ理解を深めていければと思っている。

🔘今日の一句、ベランダから正面に和泉灘(茅渟)。

 

刻々と水彩変えて茅渟(ちぬ)の秋

 

🔘施設の庭、アスター(友禅菊)と思われる。