映画「スパルタカス」

NHKBSプレミアムで放送された「スパルタカス」を長い間録画したままだったがようやく観終えた。

1960年のアメリカ映画で、云うまでもなく古代ローマの実在の人物で奴隷剣闘士であったスパルタカス(スパルタクス)を中心にした大反乱「スパルタカスの反乱」を背景に映画化したものである。

私がこの映画を観るのは2回目と思え、初めて観たのは数十年も前だった気がするがその時の記憶は、

スパルタカスを演じたカーク・ダグラスの印象が強烈で口下の顔の凹みが記憶に残っており後年息子のマイケル・ダグラスの顔を見て良く似てるなと思ってしまった。

・戦闘シーンに迫力がありさすがアメリカ映画と圧倒された。

スパルタカスと恋におちる女奴隷を演じたジーン・シモンズが可憐で可哀想で、最後にスパルタカスの子供と共に自由民となったところでは本当に救われた気がした。

と言った具合で小説的なスペクタクル映画という印象が拭えなかった。

今回この映画を観ていて強く感じたのは、古代ローマの歴史的事実が背景に忠実に使われているということである。

これは作家・塩野七生さんの「ローマ人の物語」をこの間に読んでいたお蔭であり、同じ映画を見ても背景を知っているかどうかでこれ程印象が強くなるのかと改めて感じた次第である。

・ローレンス・オリビエが敵役を演じた「クラッスス」はスパルタカスを倒した後、映画にも登場した「ジュリアス・シーザー」「ポンペイウス」と共に古代ローマの第一回三頭政治を行うことになる。

古代ローマはシーザー(カエサル)暗殺後の第二回三頭政治を経て共和制から帝政へと移行していく。

・映画の中ではローマ元老院スパルタカスの討伐を討議するなかで共和制のなかの派閥、民衆派と貴族派(門閥派)の争いが描かれている。

また今回分かったことは製作総指揮をカーク・ダグラス自身が行っていることで、その意気込みが分かると共に監督が「2001年宇宙の旅」のスタンリー・キューブリックであることも私にとっての発見であった。

古さを感じさせない映画のひとつである。

🔘一日一句

 

青田風粉挽く水車母の実家(さと)

 

🔘健康公園の隅っこでたった数本残っていたオオキンケイギク(大金鶏菊)、虫が蜜を吸いに。