二つのインド

日経新聞に「風見鶏」というコラムがあり先日「二つのインドと日本」という記事が掲載され、またこのたび天皇皇后両陛下がインドネシアを訪問され歓迎を受けられたニュースをみてこれを書くことにした。

二つのインドとは地域の大国であるインド(人口14.3億人)とインドネシア(人口2.7億人)を指しており、トライアングルの位置にある中国という共通の脅威をにらんで協調する両国は、同じ地域の大国として緊張もはらみ、そこに橋渡しをする日本の役割を見出だすべきという論旨であり私も全く同意見である。

もともとインドネシアという名称は「インドの島々」を意味しており、多くの島で構成される地方を表す言葉であったのを第二次大戦後独立の際国名に採用したことが由来とされる。

インドネシアイスラム教国では世界最大の人口を持つことが知られているが、その内のバリ島に見られるように古来インド由来のヒンズー教の影響を受けた王国が興亡を繰り返している。

また戦後インドのネール首相、インドネシアスカルノ大統領などが共同で米ソ冷戦期に非同盟運動を進めたことは記憶に新しい。

「国際会議で最大の課題は日本人を喋らすこととインド人を黙らせること」

「道でインド人の商人とコブラに出会ったらインド人の方に注意しろ」

というアジアで知られたジョークがある通り、インドの経済人の積極性は世界に知られており世界最大の人口を有する民主主義国としてのインドは、世界に進出した商人・印僑も併せて益々重要な相手になると思われる。

インドネシアを含め東南アジアで仕事をした身からすると、人口の多さ、地勢面、経済規模などから、これからの日本はこの二つのインドを意識せざるを得ないことが実感として理解できる。

幸いなことに旧植民地からの独立の際の経緯を含め歴史的に両国とも親日国であり日本にとって極めて重要な財産である。

今日本はクワッドとして日・米・豪・印の枠組み作りを進めているが私はこれにもうひとつのインド・インドネシアを加えることで完璧な布陣になると地図を見ながら思っている。

 

【須磨浦の大噴水が雲を吹き】

 

🔘近くの花壇、ビオラと思われるがパンジーのようにも見える。