華僑(かきょう)あれこれ

著名人が自分の来し方を振り返る日経新聞の「私の履歴書」は現在タイ国の財閥・サハグループの会長ブンヤシット・チョクワッタナー氏が登場されている。
サハグループは私がタイに駐在していた20年以上前の頃から日用品を手広く扱うタイで有名な財閥の一つで日系企業とも沢山合弁事業を立ち上げ有名だった。

この「私の履歴書」にも書かれているがサハグループは中国広東省から一族と共にタイ・バンコクにやって来た華僑が始めた雑貨店を原点に発展した財閥で、タイでは華人や華僑が実業界のかなりの部分を押さえているのは公然の事実である。

華僑の僑とは仮住まいであり、中国国籍を持ちながら現地で活躍する華人(中国人)のことを云うがその子孫で既に現地の国籍を取得して定住する人もこのように呼ぶ場合が多い。したがって中国人から見ると同じ境遇のインド人は印僑であり、日本人なら日僑である。

西部劇映画を見ていると時折クリーニング屋や雑貨屋などを営む華僑が出てくるが、このように貧困から逃れるために世界各地に進出したが、そのなかでも中国南部福建省広東省などから小さな船で行ける東南アジアは格好の行き先で、今ではその勤勉さでどの国でも確固とした地位を築いている。

私が感じたところではタイでの華僑は殆んど現地に同化して受け入れられているが、マレーシアやインドネシアなどでは宗教的な面もあるが、経済格差から来るやっかみも含み華僑に対する視線は厳しい。
例えばインドネシアではアジア通貨危機の際に華人に対する暴動が発生し、マレーシアでは華人などに比べて現地マレー系を優遇するブミプトラ政策が行われている。

兎に角勤勉で家族の絆が強く不退転の決意で出て来ているため成功者が多くなり必然的にやっかみの対象になりがちになるのだろう。

ある資料によると全世界で華僑は約6000万人いて、その総資産は2兆5000億ドルにもなるとのことで中国のパワーを考える場合、この在外華人を含めて考える必要があることがよくわかる。

私は現役時代仕事で色々な空港を利用して時間待ちの際に
空港の本屋を訪れたが、残念ながら日本語の本を置いている店は希だが、英語と中国語の本は殆んどの店に置いてあり、華人や華僑パワーの凄さを身に染みて感じたものである。

◎歩きの途中、八尾防災拠点に咲いているのはコスモスのような気もするが時期的にはおかしい気もする。
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