インドへの考察⑤中国に取って代われないインド

いちばん上の孫とインドの先行きについて話した経緯から、インドについては出来るだけニュースや情報をウオッチするようにしており、この事は今までもこのブログに書いてきた。

日経新聞のGLOBAL EYE という紙面のNIKKEI Asia に掲載された Opinion のコラムでカナダ・アジア太平洋財団の特別研究員 ルパ・スプラマニャさんが「中国に取ってかわれないインド」と題して寄稿されている。
この財団はカナダ政府系らしくルパさんは名前がヒンドゥー由来のようでインド系の人と思われる。

その要旨は
☆民主主義国の間では「好戦的な」中国より民主主義国インドとの経済貿易関係を強化すべきという議論がある。

☆然し欧米の大企業が中国からインドへバリューチェーンの中心を変えるような動きは見られない。

☆インドは地域の経済連携、TPP(環太平洋経済連携協定)RCEP(東アジア包括的経済連携協定)に参加できていない事から明らかなようにグローバルバリューチェーンへの統合レベルが低くスタートラインにも立てていない。

☆インドが中国に取って代わって世界の製造業のハブになるというのは地政学から生まれた希望的観測に過ぎない。

・中国の人口14.4億人、インドの人口13.8億人
・中国のGDP14.2兆ドル、インドのGDP3兆ドル
実質的なスタートは両国とも第二次大戦後と考えられるなか、周辺の民主主義国からの期待や支援も大きいが、なぜ
差が詰まっていかないのか?

アメリカ・シリコンバレーなどのIT先端産業はインド系の人材が支えていると云われるように教育、人材などの面でも決して劣っているわけではない。

私がタイに駐在していた折によく聞いた東南アジア共通のことわざに「見知らぬ道でコブラとインド人に出会ったらインド人を先に殺せ」というのがあったが、インド人、印僑(いんきょう・海外に出て現地で生活するインド人)の商売上手を皮肉ったものと云われる。このように経済面でも活躍し得る素地もある。

それなのになぜ人口が拮抗する中国を追い上げることが出来ないのか。
ヒンドゥー教カースト制などの影響だろうか?
理気候風土などの固有の要因なのか?
民主主義国より権威主義的な国の統治の方が優れているとの誤ったメッセージになりかねない。

疑問は尽きないが、第二次大戦後の東京裁判で日本の無実を唯一主張したパール判事の出身国で、長くイギリスの植民地であった事から国論もこれを支持したと云われる。

早くインドが離陸する姿を見たいものである。

◎まだまだアサガオが頑張って咲いていた。
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