「山カフェ」と楠(くすのき)・大木伝説

以前にも1度このブログに触れたことがあるが、登山好きな俳優・石丸謙二郎さんが進行役のマスターを担当する、NHKラジオ第1、土曜朝8時05分から始まる「石丸謙二郎の山カフェ」はアシスタント役アナウンサー・山本志保さんとのコンビも良く、当日聞けなかった場合はネットの「NHKラジオ聞き逃しサービス」を活用して時々「ながら聞きを」している。

今日聞いたのは6月26日放送分で「珍しい山名の謎を追う」として「山の名前って面白い」という本の著者でフリー編集者・大武美緒子さんがゲスト。
「貧乏山」「昼寝山」等が話題になるなか大分県玖珠(くす)町にある伐株(きりかぶ)山の名前の由来を聞いて、「これは話の筋が同じだ!」と思ってしまった。

その話は〈昔、天までそびえる大きな楠(くすのき)があり山里を覆っていた為、作物が採れず困った里人が大男の木こりを雇い伐り倒した。残った伐り株が「伐株山」になり山里が玖珠町(くすまち)の由来になった〉というもので写真で見ると伐株山の山容は本当に伐り株にそっくりである。

同じと感じた話は江戸時代毛利藩が領内各地の民情を報告させた「防長風土注進案(ぼうちょうふうどちゅうしんあん)」のなかのふるさと厚狭に関連する「厚狭郡吉田御宰判鴨庄之内(あさぐんよしだごさいばんかものしょうのうち) 厚狭村」の冒頭記述の一部、現代文に要約すると、

〈当村の言い伝えでは昔は朝日市と云っていた。その昔厚狭の隣、船木市の外れに古今に希な楠の大木があった。
その枝葉が繁り廻りを覆い尽くしていた。朝日市はその西1里にあって太陽が樹上に昇って始めて見える状態であり故に朝日市と言っていたがいつの間にか現在の厚狭市に変わってしまった。~~~~~〉

楠まで同じであり何か繋がりを思わせる。

大分県玖珠町と厚狭のある山口県山陽小野田市関門海峡を渡り福岡県を介すると遠いように思うが、地図を見ると意外に近距離で周防灘を隔てた対岸に当たり、古来から船での往来がある。

また以前のこのブログで触れたことがあるが、厚狭近辺の
松嶽山・正法寺や美祢桜山・南原寺に残る花山法皇伝説は
大分県英彦山(ひこさん・大峰山羽黒山と並ぶ日本3大修験道霊場)の山伏の影響があると思われるが、英彦山玖珠町は近接しており今回の楠伝説も御札を持って各地を巡る山伏や真言宗寺院の影響が有るのかも知れない。
色々と歴史の繋がりを想像させられる山カフェになった。

◎昨日朝、雨の止み間に八尾飛行場の管制塔越しに見る金剛山(右)と葛城山(左)、金剛山頂上付近は雲隠れ、毎年見る梅雨時の典型的な風景。
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今朝は雲が更に下へ降りてきて金剛山葛城山も殆んど見えずおまけに左隣の標高の低い二上山まで見えない。
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