NHK大河ドラマ「青天を衝け」を観ていると久しぶりに女優・美村理江さんに出会った。
一橋慶喜の養祖母に当たる「徳信院」役で、まだ出番がわずかで慶喜や渋沢栄一との関係がどうなるのか楽しみにしている。
美村さんはもともと「ミムラ」という芸名で記憶していたが、時折色々な活字媒体でエッセイなども見かけ芯がある人だなという印象があった。いつ頃から「美村理江」になったのだろうか、「ミムラ」はなかなか味のある名前だったのだが。
今日、コメダ珈琲店で読んだ産経新聞の生活欄のコラムで美村さんの面白い「善人役と悪人役」というエッセイが載っていた、概略は以下の内容。
・人の善悪を考えるとき性善説と性悪説に分かれる、私は善良に生きたいと思って常々行動しているが性悪説を信じている。
・人間が邪悪な生き物と言いたいのではなく、生に執着する生き物は利己的になるのが基本であるが、人間はそれを抑えて生きなければならない。
・そんな見方で演技を観ると善人の演じる善人役は面白味に欠けあまり善人でない人の善人役も興味が湧かない。
しかし善人の演じる悪人役となると大輪の花が開くような魅力を放つことがある。
・性悪説をもとに考えると動物的利己的部分を抑えて暮らしている人間は、
常に芝居をしており本音を隠しているが、上演中の悪は芝居でない部分がある。
・そんなこんなで悪人役の称賛を受けている場合特に注意深く見てしまう。
◎これを読んでとても共感を覚えたのだが、時折TVや活字で見かけた「ミムラ」さんがなぜ私の記憶に残っていたかその理由が分かった気もしてきた。
◎善人が演じる悪人役で思い出すのが北野武監督の映画「アウトレイジ」シリーズで、普段は善人役が多い西田敏行さん、三浦友和さん、小日向文也さん等々を全て悪役に振り付け、迫真性臨場性の高いバイオレンスシーンの連続で、観る方も緊張した記憶が「ミムラ」さんの文章でよみがえってきた。