映画の中で今も記憶に残る言葉③日本映画②

5月19日の日本映画篇の続き。
深作欣二監督が、松坂慶子さん、風間杜夫さん、平田満さんの主演でつかこうへいの原作を映画化した「蒲田行進曲
  
蒲田の映画撮影所を舞台に スターである銀ちゃん・風間杜夫さんの子を身ごもった小夏・松坂慶子さんを押し付けられた大部屋俳優のヤス・平田満さんが生まれてくる子や小夏を養うため危険な仕事を貪欲に貰おうと撮影所の相手に、小指をたてて、腹が膨らんでいることを手で表現して笑顔満面で言う台詞「これが(小指を立てる)これなもんで(腹を膨らます)」、そしてテヘへへと笑う。

・この映画を見るまで殆んど知らなかった、平田満さんの役者としてのうまさを際立たせたシーンと台詞になっていた。

稲垣浩監督が三船敏郎さん主演で映画化した「風林火山
 
川中島の戦い山本勘助役の三船さんが、自分の献策した作戦を上杉謙信に見破られ、危急に陥った主君武田信玄を救うため、自ら突撃を志願して指揮をとるシーンの台詞「馬引けー」、

・三船さんの表情と相俟って、責任感から身を犠牲にする覚悟と決意が込められている。

黒澤明監督が三船敏郎さん主演で撮った名作「天国と地獄」

言う迄もなく誘拐事件を扱った映画だが、まだ無名だった時期の犯人役山崎努さんの真に迫った演技が印象的で、自分の子供ではない誘拐された子供のために三船さんから身代金を出させる過程での電話の声「誰の子だろうとかまわない、3千万円はお前が出すんだ!」
金を持って新幹線に乗れと指示した後、行き先を聞く三船さん(権藤氏役)に「乗ればわかるよ、権藤さん」と言う。

・特に「権藤さん」と嘲笑うように言う声の調子が狂っているような感じで真に迫り耳に残っている。

新田次郎の原作を森谷司郎監督が映画化した「八甲田山

原作の小説題名が「八甲田山死の彷徨」が示す通り、日露戦争前に極寒環境での調査訓練を意図した陸軍部隊が、大量遭難する悲劇を事実に基づき描いたものだが、風雪に荒れる冬の青森、八甲田山中をさまよった北大路欣也さん演じる中隊長が凍死直前に叫ぶ言葉「天は我々を見放した」

・上官から理不尽な要求を受け、その結果として死と責任を負わなければならない絶望感がこの台詞に凝縮されているような気がする、

◎庭の低木が旨そうな実を付けているのだが名前がわからない。
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