株価のなかで失われている企業業績との相関性

一般的に株価は経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)を反映し、その先行指標にもなると言われている。

日経新聞の投資情報欄に掲載される「一目均衡(いちもくきんこう)」というコラムにこの一般的に信じられてきた株に対する見方を否定する衝撃的な論文の紹介が成されている。
証券アナリストジャーナル」に掲載された野村アセットマネジメントの複数マネージャーの手になる「バリュー投資の再考」と題するものである。

その骨子は
過去40年の日米株式市場のデータを分析すると、特に2010年以降現在までの約10年間は

「将来の利益を正確に予想できたと仮定しても、その業績は株価に反映されず、市場の持つ価格発見機能は壊れており、銘柄選定を通じてその業績を予測する投資家の努力は結果的に無駄に終わる」

すなわち投資の基本的前提が否定された10年間になっている。

その要因は
・世界経済の成長が止まり金融緩和が行われるなかで高い成長が見込まれる一握りのテック企業・グロース(成長)株に緩和マネーが集中、景気と業績の連動性の高いバリュー(割安)株が見向きもされなくなった。

・マネーは個別企業の業績を吟味するアクティブ運用から指数構成銘柄を一括購入する低コストのパッシブ運用にシフトしている。

・現行の会計システムだけでは企業価値を捕捉できなくなり、無形資産例えば知的財産などが成長力の鍵になってきた。

コラムでは、このまま行くと産業へのリスクマネーの効率的な配分という株式市場の大事な役割が損なわれると危惧している。

論文の詳細を見たわけでは無いが、コラムの解説を読む限り最近の株式市場を見渡したときの、私自身の肌感覚ととてもピッタリ来る気がして、この日記に書き留めておく気になった。

この論文の要旨と異なり、直近の日米の株式市場では長い間放置されてきた割安・バリュー株の一部に反転上昇の兆しが見られるが、この行く末について少しばかり興味が増してきた。

◎ジャガイモ成長記①
ジャガイモを植え付けて17日目、植え付け直後雨が続いたので少し心配していたが、ようやく何ヵ所かで芽が地中から顔を出しかけてきた、ひと安心。
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