スマホのアップルが自動車を!!

現在の世界の自動車産業は、フォルクスワーゲン/アウディグループ、トヨタグループ、ルノー/日産連合、米GM、韓国現代等が、自動運転、環境対応、電動化、IT化等々の大変革期のなかでしのぎを削っている。

国別で見ると、フォルクスワーゲン/アウディメルセデスなどを抱えるドイツとトヨタ、日産、ホンダなどを擁する日本が他をリードしている。

そんな中、日経新聞のコラム「経営の視点」に〈「アップルカー」の衝撃〉と題した記事が載っている。
ロイター通信や台湾メディアが相次いでアップルの自動車参入を報じているらしい。

その骨子は
・自動運転技術を核にした電気自動車。
・アップルのiPhoneと同じく設計と生産の水平分業を取り入れ自らは設計に専念し生産は受託製造サービス(EMS)に任す。

然しこれだけだと、予測可能な範囲の内容であり、もしもアップルが異業種・自動車に新たに参入する場合、マスコミや我々をアッと言わせる隠し球があると考える方が、むしろ自然ではないかと私は考えている。

現在日本の雄・トヨタでも100年に一度の自動車大変革期と称して豊田社長が自動運転、環境対応、IT化等の大号令をかけておられるが、既存の自動車業界は開発設計から生産販売までの垂直統合モデルであり、アップルがスマホで成功し自動車でも目論むビジネスモデルと大きな違いがある。

私が働いた家電業界は独自技術開発を磨くことで成長し、欧米を追い越してきたが、その自負心が仇になり、いつの間にか中国、韓国メーカーに追い越されてしまった。

この要因についてはマスコミなどで色々取り上げられているが私自身は、日本の家電は技術開発に自信が有る(有りすぎて)為に、その事に拘りすぎて、転進、転換が遅れたことが大きな要因だったと考えている。

思えば日本の自動車も、ハイブリッド車を始めエンジン世代の技術開発力は、世界の中でも抜きん出ていると思われる。

私は今アウディに乗っているが、3年前買い換えるとき選択肢の一つ環境規制の対応で、トヨタのハイブリッド方式と、アウディのエンジンをダウンサイジングしてターボを付ける方式を比較し、トヨタの方式が技術的には深いが複雑すぎて、アウデイの方が単純でメンテナンスしやすいと思い、アウディを選択した事が記憶に残る。

今日本の経済の基盤を支えている自動車が、この大転換期に在ってかつての家電などの轍を踏む事なく、是非世界のリーダーの地位を死守してもらいたいと切実に思っているのだが。

◎歩きの途中で東に信貴山が見える。大河ドラマ吉田鋼太郎さんが演じた松永久秀が最後を迎えた城のあった場所。
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