国産ジェット旅客機の立ち往生

今年の1月17日三菱重工の国産ジェット旅客機・スペースジェットが機体制御の設計変更で6回目の納期を変更し、剣ヶ峰に立っていることを書いたが、今回駆け巡っているニュースは、このジェット旅客機の更なる困難を告げており、正に危急存亡その時を迎えているかもしれない。

今までは主に作る側の問題で、ようやく型式認可の飛行試験を継続し、実績を積み上げて行く段階に来ているのだが、ここに来てコロナウイルス騒動で需要側の問題が大きくなっている。

ANA.JALも含め、世界の航空会社が破綻の一歩手前にあると言われ、公的資金の融資などを要請しており、新規の航空機購入等全く論外の状況と言える。

三菱重工は航空機開発実務のトップを入れ換え、携わる人員を半減し、21年度の開発費用も前年度比半減するとの発表を行っている。多分長期戦を覚悟した布石なのだろう。

需要側がこのような環境にある以上作る側がどうしようもない側面があるが、今迄の累積開発費用約1兆円といわれる重圧にどこ迄耐えられるか、三菱重工の体力、耐久力勝負の胸突き八丁になってきた。ボーイング等の仕事も大幅に減るなかで、他の事業で持ちこたえられるか、極めて厳しいものがあると察せられる。

このスペースジェット事業はある面で日本の製造業の将来を示すものになると私は思っているのだが、出来ることなら何らかの公的な支援も、工夫次第でその手段がないものかと勝手に思ってしまう。

航空機は技術面でもサプライチェーンでもその裾野が広く、また別の面で安全保障の先行投資にもなり得る。
ここで国産の航空機が量産出来るか否かは日本の将来にとっても大きな影響があると思われる。

ずっとこのジェット機を追いかけている身からすると、この苦難を耐えてなんとかゴールして欲しいと切に思う。

家の横に植えている、桔梗が花ざかり
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