国産ジェット機への部品供給から東レの撤退

日経の各種媒体から報じられている、東レ三菱重工業の国産ジェット機事業「スペースジェット」の部品供給から撤退するニュースは私にとって大ショックだった。

6月7日のこの日記でも書いたように「スペースジェット」は陰ながらずっと応援しているプロジェクトで当初2013年の納期が開発の遅れで5度の延期を繰り返し現在設定されている20年半ばも更なる延期が取り沙汰されている。また11月初めには米国の地域航空会社が90席クラスの発注を100機キャンセルしたばかりで、三菱重工業も現在までに6000億円以上の開発費用を拠出したと言われており全体として大きな苦境のさ中にある。

東レユニクロと機能性繊維を共同で開発したり、水処理膜の技術で突出する私の好きな会社のひとつだが一方で炭素繊維で世界No1の企業で、東レ三菱重工業は「スペースジェット」尾翼向け炭素繊維複合部品の供給を契約していたもののこれを解消したとのこと。

炭素繊維は鉄に比べ4分の1の軽さで10倍の強度を持つと言われこれからの航空機に欠かせない素材である。

国産ジェット機にとって弱り目にたたり目とはまさに今の状態だろうか。

航空機は裾野が広い部品供給が必要とされるが、開発の遅れに伴い東レに続いて部品サプライヤーの撤退が相次ぐ様な事態にならないか心配は尽きない。

今が正念場で胸つき八丁だとは思うが国産ジェット機の旗は是非下ろさないで欲しい。日本の製造業の将来がかかっているような気がしている。