映画のなかで今も記憶に残る言葉④・外国映画②

5月23日のこの日記、外国映画篇の続き。
①リチャード・フィッシャーと舛田利雄が共同で監督した太平洋戦争の開戦を描いた日米合作映画「トラトラトラ」、

真珠湾奇襲の航空部隊指揮官・淵田美津雄中佐を演じる田村高広さんが奇襲成功を確信して暗号打電を指示する言葉、「我奇襲に成功せり、トラ、トラ、トラや!」

・緊張のなかで奇襲の成功を確信した瞬間の心境が最後の言葉「や」のなかに、緊張から開放された形で凝縮されているような気がする。

②ジャック・スマイト監督が太平洋戦争の戦局の転換点となった日米空母艦隊決戦ミッドウエー作戦を描いた映画、「MIDWAY・ミッドウエー」

勝者のアメリカ太平洋艦隊司令長官ニミッツ大将を演じたヘンリーフォンダが、凱旋した機動部隊をハワイに迎えて傍らの部下に言う言葉「我々は敵よりも強かったのだろうか、それとも単に運が良かったのだろうか」

・私もこのミッドウエー作戦については色々な本を読んでいるが、当時の戦力は明らかに日本側が上回っており、索敵機の状況、機動部隊司令官・南雲中将の一瞬の判断(魚雷と陸用爆弾の積み替え)など明らかに日本に不運が重なった面があった。日本人として誠に悔しい結末だけにニミッツ大将の言葉が考えさせられる、

ジョン・ミリアス監督がショーン・コネリーキャンディス・バーゲン主演でモロッコを舞台に、外国の侵略を憂いる、遊牧民の首長が、アメリカ人女性を誘拐したことで発生する戦いと国際紛争を描いた「風とライオン」、

全てが終わった後、遊牧民リフ族の首長を演じるショーン・コネリーアメリカ大統領セオドア・ルーズベルトに宛てた手紙の中の言葉
「あなたは風のごとく、私はライオンのごとしーーーー私はライオンのごとくおのれの場所に留まるしかないが、あなたは風のごとくおのれの場所に留まることを知らない。」

・この映画はもう一度是非見たい映画の一つだが、題名となった風とライオンの対比は一篇の詩のようでもある。

④イギリス監督がケン・アナキンアメリカ監督がアンドリュー・マートン、ドイツ監督がベルンハルト・ビッキーという第二次大戦のヨーロッパ戦線の帰趨を決めたノルマンディー上陸作戦を描いた「史上最大の作戦

上陸を迎え撃つドイツの最高指揮官ロンメル元帥が作戦を前にして言った言葉「上陸作戦の最初の24時間は決定的なものになろう。この日は連合軍にとってもドイツ軍にとっても一番長い日になるであろう」

・原題の「The Longest Day」はロンメル元帥のこの有名な言葉から取られている。
北アフリカの戦車戦で「砂漠の狐」と恐れられたロンメルはこの言葉と裏腹にノルマンディーの緒戦で重要な失策を犯す、天候不順で近い内の上陸が不可能と判断して休暇に入るが、連合軍はこの合間を衝いて上陸作戦を決行し成功させる。

◎何故か今回は戦争映画だらけになってしまった。申し訳ありません。

雨の中咲いている桔梗
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