4月17日のこの日記にレンゲが咲いていることを書いた田んぼで例年通り田植え。
通りかかった時点では植え終わって余分になった苗の、人の手による植え戻し作業がされていた。
植えられた苗
子供の頃、田植えは何かしら特別な行事だったような気がする。一家総出は勿論の事、近所同士の「ゆい」と言っていた助け合いが生きており田んぼに水を引くことも合わせて、村落の中でも計画的に植えて行く慣行だったように思う。
今はほとんど機械で植えているが、当時は苗代を作って、苗を取り、束にして田に持っていき均等に撒いておく(これは主に男や子供の役目)、それを使って人が一本ずつ植えていく(これは主に女性の役目)、腰の痛くなる重労働でそれが何日も続く。
田植えが全て終わると私の記憶では「うえみて」(植え満て?)と言っていたような、家毎に少しの御祝い事があった。
NHKに「新日本風土記」と言う全国各地の風俗、風土等を紹介するTV番組があるが、この中でやはり田植えが終わった後に御祝いの膳を囲んだりする風俗を2~3の地域の紹介で観た事がありこの場合は「しろみて」(代満て?)と言っていた気がするが、同じような風習が全国にあるものだと興味を覚えた記憶が残っている。
現在でも天皇陛下が実際に長靴姿で田に入り田植えをされる慣行が有ったり、全国の色々な神社で「お田植え神事」と呼ばれる行事が伝承されているように(先日も朝日新聞に京都伏見稲荷の豊作を祈る神事・田植え祭が載っていた。)、稲作文化、農耕民族の田植えは神にもつながる特別なものに他ならない。
私も故郷を離れ都会生活が長くなっているが、身近に苗の植えられた田んぼを見ると感情を揺さぶられるものがある。多分農耕稲作民族の血が騒ぐのだろう。