「EVシフトの衝撃」

NHKTVで放送されたNHKスペシャル「EVシフトの衝撃~岐路に立つ自動車大国・日本」を録画したままにしていたが昨日ようやく観ることが出来た。

現在の日本経済、産業を牽引している第一は自動車産業であることは衆目の一致するところだが、ここに至るまで貿易摩擦、排ガス規制など幾つもの山を超えてきた経過を目の当たりにしてきた。

自分が職に就き、最初は中古車から始まった車との付き合いももう半世紀になり、10回近い乗り換えの過程でその変遷を身を以て見た気がしている。

世界の先頭を走っている日本の自動車産業が今直面しているのはこれまでに無い高さの山で「脱炭素社会」への取り組みである。

番組は世界に先駈けてEUが打ち出した「2035年にハイブリッドを含むガソリン車の販売禁止」と言う政策をもとに、各国の動き、日本の自動車メーカーの動きなどが描かれる。

これらの中で得られた知見は
・現在のガソリンエンジン自動車で出遅れている国、例えばフランス、中国などはこの機会にEV(電気自動車)で挽回、ゲームチェンジャーになろうと官民一体で取り組んでいる。

・現在のEVの最大の課題は1回の充電で走れる航続距離が短いことで、世界トップレベルで470km、(ホンダは283km)これをガソリン車並の700km以上にするため、電池や空気抵抗の改善で各社がしのぎを削っている。

・日本の自動車メーカーはEVでは出遅れているがホンダは
エンジンを捨てEVに突き進むことに舵を切った。
トヨタは現状EVが全てではない視点で、水素エンジン、EV、FCV(燃料電池)、ハイブリッド等を追求し現時点では選択肢を絞らない戦略をとる。

・EVはガソリンエンジン車に比べると構造が簡単で部品点数も少ない。この為EV化が進むと産業構造が変わり雇用への影響があり例えば現在の日本の自動車産業全体で抱える500万人の雇用の内最悪100万人に影響が出る。

・EVは電気を使うため各国のエネルギー事情により脱炭素化への効果の度合いが異なる。
日本の電力は70%以上が火力発電だがフランスは70%が原子力で20%が再生可能エネルギー計90%が脱炭素。

日本の自動車業界が脱炭素の山をどう超えるかはこれからの日本経済の命運を左右すると云ってもよいかもしれない。
その中でこれは私の個人的見解ながら、現在トヨタがEVに的を絞らず全方位的に脱炭素を目指すやり方を取っている成否が日本の自動車や経済全般の行方を左右するのではないか。

◎民家の軒先、これは時季から云うと八朔(はっさく)だろうか?
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