中断中のひとりごと⑥日経新聞、電子版から新聞紙へ変えて思うこと

しばらく日本経済新聞は電子版をずっと購読してきたのだが、下宿中の大学生の孫と話をした際に、ボチボチと日経新聞を見た方が良いだろうということになり、電子版の購読を止めて新聞紙を配達してもらい、それを2人で廻し読みすることにした。

何か時代に逆行するようでもあり、「どうかな」という思いもあったが、変えてみるとつくづく紙媒体の良さを実感する。
昨今政府の政策はデジタル化が基本で、将来を考えるとこの考えには大賛成であるものの、この年齢になると永年染み付いたアナログ文化は、抜きがたいものがあることを実感する。

今日の日経新聞の小さなコラム「風見鶏」に〈「農業社長」と政治の距離〉と題して、自民党の米政策に関するヒヤリング会合に何時もの農協JA組織だけでなく農業社長の集まりである「農業法人協会」からも出席があったことが書かれている。

法人協会は家業ではなく法人化して農業の企業家を目指す人の集まりで、往々にしてJA等とは意見が異なる。
米についてもJA等は今迄の政治の方向性と同じ「一律減反」だが、法人協会は当然「一律の生産抑制は避けて欲しい」立場である。

ここに来て政治の場にJAとは異なる立場の農業団体が出てくるのは日本の農業の構造と其れに対する政治の見方が変わりつつある事が背景にあるというのがこのコラムの趣旨である。

農家の戸数は2015年までの10年で3割減ったが、農業で雇用されている人は7割増えその受け皿の多くは農業法人とのことである。

実は、郷里の実家の兄も高齢になったことを踏まえて近隣の農業法人に田畑の耕作を依頼、必要に応じて法人のもとで働く選択をしたとのことで農業法人が身近なものになりつつあることを実感した矢先のことである。

電子版の場合はどうしても大きな見出しの記事のみ見ることが多く、小さな記事は見落としがちだが、今まで色々な新聞や雑誌を読んできた経験からすると小さな記事のなかに以外と大きな内容や材料が隠れていることが多い。

今回のコラムも電子版であれば見逃したに違いないと、思わぬところで紙媒体の効用を再認識したのだがーーー、

一方でデジタル化に追い付いて行くことは私を含む高齢者の避けて通れない課題であり、頭が段々硬くなる状況の中で私自身の今のパソコンとスマホの体制を、どうやって維持向上していくか、高齢者にとって中々ハードルの高い毎日が待ち受けている事に変わり無い。