岡山みやげ柚餅子(ゆべし)のことなど

我が家に下宿中の2番目の孫が岡山に帰省する為、孫の引き取りと早い墓参りを兼ねて娘がやって来た。
先ず仏前にお供えとお参り。この機会に近所に下宿中の1番上の孫も来て久しぶりの賑やかな夕食で、孫の食欲にまたまた圧倒されてしまった。

たまたま(またまたではありません)私の誕生日と重なり、娘がバースデーケーキ用に神戸の半熟チーズケーキを持参してくれサプライズになった。
誕生日もこの歳になるとまさに「めでたさも中ぐらいなりおらが春」の気持ちそのもので、めでたくもありめでたくも無しが一番ピッタリの言葉だろうか?

誕生日チーズケーキ
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半熟の名前通りの食感で濃厚な美味しさがある。

何時も娘が我が家にくるとき、持参してくれる岡山近辺のお土産を楽しみにしているのだか、今回は住んでいる倉敷市真備町の隣、矢掛町の名物と言う老舗「佐藤玉雲堂」の柚餅子(ゆべし)とわらび餅を持参してくれた。 

柚餅子と言えば東北地方山形県福島県の、柚子(ゆず)をくりぬいてその中に材料をいれた和菓子を思い浮かべていたが、どうも全国に柚子を使ったその地方毎の色々な材料、形状の柚餅子が有るらしい。

山陽道備中国(岡山県)矢掛宿(やかげしゅく)は元々柚子の産地で、柚子の皮を細かく刻んで蜜煮し、餅米、白味噌、砂糖などと練り合わせ蒸し菓子にして色々な形に仕上げるのが伝統とのことである。

矢掛は大きな宿場町で参勤の諸大名にもこの柚餅子が供され、幕末に薩摩から徳川宗家に嫁がれた篤姫も大いに気に入られ食されたとの記録が残されている。

和菓子は味わうのは勿論、その由来を知る楽しみが大きい。

柚餅子外装
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柚餅子個装
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柚餅子(長いものを切り分けた断面が見える)
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夏なので冷やしてホットコーヒーと一緒に食べてみたが、甘い目のやわらかい餅のなかに柚子の酸味がアクセントになってコーヒーにとても合う、味噌味も仄かに感じる。
激動の維新期に江戸無血開城を官軍と折衝したとされる篤姫さまの、ひとときの安らぎが伝わってくる気がする。

本わらび餅外装
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ーーこれは後日味わうつもりです。