昭和の歌「上海帰りのリル」

このところのコロナウイルス騒動でカラオケに行く機会が全く無くなったが、たまたま家に一人で残ったときなどYouTubeを開いて小声で歌を口ずさむ。

昭和の歌謡曲を唄う「東京大衆歌謡楽団」もこの中で見つけたのだがこのグループの持ち歌の一つ「上海帰りのリル」を聞いてメロディーといい、歌詞といい「とてもいいな!」と思い、俄然やる気になりYouTubeの中を更に検索、倍賞千恵子さんの唄う「上海帰りのリル」を見つけ、家に誰も居ない時間を見計らい、倍賞先生を手本にしてカラオケ練習を始めている。

調べてみるとこの歌は1951年に津村謙さんが唄って、翌年これで紅白出場するヒット曲になったそうだが、これに合わせて1952年に同名の映画も封切られたらしい。

戦前の上海租界で暮らした男2人と女1人が、敗戦のどさくさで離ればなれになり日本に帰国して、その女性リルを探し続ける物語で、歌詞にある、「つらい定めは2人で分けて、共に暮らそう昔のままで、リル、リル、誰かリルを知らないか。」
をなぞったストーリーで作られているようだ。

上海には戦前、日本人を含む外国人が暮らした居留地(租界)があり今は外灘(ワイタン)と呼ばれる地域で、上海を流れる長江の支流・黄浦江の側で今も当時の歴史建造物が並び観光客で賑わう。

私が上海で勤務していた工場はこの外灘(ワイタン)から黄浦江を隔てた対岸の開発特区、浦東(プトン)新区にあり、外灘のレストランで食事をした事も何回かあり、今思うととても懐かしい響きがある。

処で歌の2番の歌詞「夢の四馬路(すまろ)の霧降るなかで、なにも云わずに別れた瞳」とあるがこのスマロの読みは日本語と中国語が混ざってしまっており、中国語であれば(スマルウ)がそれに近いと思うのだが、
中国では通りのことを路(ルウ)と呼ぶ。

映画の主演・リル役は若き日の香川京子さん、男2人は水島道太郎さん、森繁久弥さんでそうそうたる顔ぶれの映画と言え、機会あれば一度観てみたい気がする。

何れにしても先ずは「上海帰りのリル」を倍賞千恵子先生の手本で何とか唄えるようになることが先決です。

歩きの途中で並木下に咲いている花
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